星雲賞海外部門発表 翻訳SFの年間ベストに映画化決定の「火星の人」 | アニメ!アニメ!

星雲賞海外部門発表 翻訳SFの年間ベストに映画化決定の「火星の人」

第46回星雲賞海外長編部門と海外短編部門の受賞作が発表された。長編部門にはアンディ・ウィアーによる『火星の人』、短編部門は『スシになろうとした女』(パット・キャディガン)だ。

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日本SFファングループ連合会議は、6月27日に第46回星雲賞のうち海外長編部門と海外短編部門の受賞作を発表した。例年は他の9部門と共に日本SF大会にて発表されている。しかし2015年は、ワールドコン(世界SF大会)が日本SF大会よりも早い日程で開催されることから両部門を先行して発表することになった。
海外長編部門に選ばれたのは、アンディ・ウィアーによる『火星の人』(翻訳:小野田和子)だった。また海外短編部門は、〈S-Fマガジン〉2014年3月号に掲載された『スシになろうとした女』(パット・キャディガン/翻訳:嶋田洋一)に決定した。

他の参考7作品の中から受賞となった『火星の人』は、アンディ・ウィアーのデビュー作。有人火星探査の事故により、ひとり火星に取り残された主人公・マークが生き延びていく様子を描く宇宙開発SFの傑作だ。
本作はその大掛かりな設定を活かした映画化がされ、2015年10月の全米公開が既に決まっている。監督は『エイリアン』や『ブレードランナー』などのリドリー・スコット監督、主人公はマッド・デイモンが演じ、20世紀FOXが配給する大作映画だ。
コンピュターのプログラマーであったウィアーは、2009年より本作を書き始めた。当初は自身のウェブサイトで作品を発表、さらにそれをAmazon Kindleで自費出版、2003年には人気を目をつけたランダムハウス系のクラウンに一般書籍として発売された。ウェブ発表から電子書籍自費出版、一般書籍、ハリウッド映画化という著者自身のストーリーも話題だ。

一方、『スシになろうとした女』のパット・キャディガンは、米国サイバーパンクSFを代表するベテランだ。こちらは “スシ”と呼ばれる生体改造をすることで宇宙に進出した未来を舞台にしている。参考候補7作品から選ばれた。

なおこれ以外の星雲賞の7部門は、8月29日、30日に鳥取県米子市で開催される第54回日本SF大会の期間中に発表される。日本長編部門、日本短編部門、メディア部門、コミック部門、アート部門、ノンフィクション部門、自由部門などが設けられている。
メディア部門の参考候補作には、『楽園追放 -Expelled from Paradise-』『スペース・ダンディ』『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』『ベイマックス』『キルラキル』などのアニメーションもある。またコミック部門でも馴染みの作品が数多い。その結果は多くのエンタメファンに注目されそうだ。

第46回星雲賞 受賞作品

■ 海外長編部門
『火星の人』 アンディ・ウィアー 小野田和子
早川書房 ハヤカワ文庫SF

■ 海外短編部門】
「スシになろうとした女」 パット・キャディガン 嶋田洋一
早川書房 〈S-Fマガジン〉2014年3月号



《animeanime》
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