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舞台「ハマトラ THE STAGE -DOUBLE MISSION-」、前回以上にハートフル、しかもパワーアップ

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 『劇場版 ハマトラ』の制作、SDアニメシリーズの制作が決定。舞台も第2作目、『ハマトラ』が盛り上がっている。

連載 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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■ 前回よりアクションシーンも増え、難易度もアップ
アニメよりハートフルな空気感で作品世界を舞台に

冒頭はモラルの独白で始まる。彼の”正義”、それは不平等な世界を変えることである。彼独特の考え方、理想の世界がある。そのためには手段を選ばない。その言動と行動は一種の狂気をはらんでいる。そこが『ハマトラ』という作品のシビアなところであろう。
ナイスとムラサキ、バースデイとレシオ、アートとガスケ、それぞれのコンビぶりは前回よりくっきりとした印象。お決まりの”事件”が起こる。
怪我をした男性、「ねこを探して欲しい」と依頼し、こと切れる。一方で警察はある女性をかくまう。点と点、紆余曲折を経て”連動”する。モラルは「力を持たない人間は上にあがれない」と叫ぶ。”力”こそが第一、という考えだ。今の世界を変える、「救世主になりたい」と言う。謎の教団やいかにもうさん臭い団体がからみ、ナイスら6人に襲いかかる。なんだか、かなりキツい話だが、そこは『ハマトラ』、笑えるやり取りや、ちょっとお間抜けぶりを発揮したりと飽きさせない。

アクションはこの舞台の見所のひとつだ。前回よりアクションシーンも増え、難易度もアップ。殴る、蹴る、よけるといった一連の動作のつなげ方と対する相手の”やられ方”の動きのコンビネーションがダイナミックで迫力のあるシーンになっていた。お決まりの技はもちろん見せ場。ナイスのデコピン、ここは”キター!”な感じであろう。ダンスシーンもフォーメーションに工夫が見られた。
ナイスのまっすぐなところ、ムラサキのぼやき、バースデイの軽やかさ、レシオの冷静、とキャラクターのコントラストもはっきりとして、ファンなら”そうそう、そんな感じ”とうなずける。アートの屈折した感情、ミニマムホルダーではないが故に人より肩の力が入る。そんなアートをさりげなくガスケが見守る。アニメはクールでスタイリッシュさがウリであるが、舞台はそのテイストもさることながら、アニメよりハートフルな空気感がある。俳優個々の奮闘、それと作品に対する愛情も感じられる。
特殊能力・ミニマム。小さな奇跡という意味である。その力を持っている者をミニマムホルダーと呼ぶ。持てる者、持たざる者、設定こそファンタジーであるが、その二者の隔たりは現実社会にも通じるところがある。アンサンブルも健闘、教団信者、うさん臭い団体、なかなかキャラが立ってる者もおり、結構笑えるシーンも。モラルの野望はついえないが、ラストシーン、まだまだモラルはやりかねない、といったエンディングだ。
劇場版も制作される『ハマトラ』、舞台も観て、劇場版も観る、これから多彩に楽しめる。ファンには嬉しいシリーズであろう。

舞台『ハマトラTHE STAGE -DOUBLE MISSION-』
(C)カフェノーウェア/ハマトラ製作委員会 (C)HAMATORA STAGE PROJECT II
《高浩美》
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