時間を全てを超える愛の物語 「CLOCK ZERO~終焉の一秒~A Live Moment」 | アニメ!アニメ!

時間を全てを超える愛の物語 「CLOCK ZERO~終焉の一秒~A Live Moment」

「高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義」:『CLOCK ZERO~終焉の一秒』が好評により再演となった。ただ、昨年のものをそのまま再演するのではなく、エンドを変えて、である。

連載 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
注目記事
『CLOCK ZERO~終焉の一秒~A Live Moment』、
時間を全てを超える愛の物語、新たな結末を紡ぐ


高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]



■ 『CLOCK ZERO~終焉の一秒~A Live Moment』、
異なる物語で、さらにバージョンアップ


『CLOCK ZERO~終焉の一秒』が好評により再演となった。ただ、昨年のものをそのまま再演するのではなく、エンドを変えて、である。
昨年は”未来END”と”現在END”と時系列での違いであったが、今回は”有心会ルート”と”政治ルート”である。つまり、再演というより、バージョン違い、よって、昨年観たからと言っても中盤からストーリーががらりと変わる。

設定は前回と同じ、主人公は九桜撫子、小学6年生。ある日、新任教師の神賀旭に呼び出され”特別授業”を受けることになる。この授業を通じて幼馴染みの加納理一郎や転校生の海棠 鷹斗と交流を深めていった。
しかし、ある時期から撫子は不思議な夢を見るようになる。それは暗く、陰鬱なものだった。やがて現実と夢は交錯し始める。壊れた世界を支配する青年とその世界を彷徨う青年が撫子の前に現れ・・・・・・ここから撫子をめぐって運命は動き始める。

舞台セットは前回と異なり、映像を使用せずに廻り舞台とパネルを配し、オーソドックスな手法でわかりやすくしていた。初演と同じくミュージカル形式にしてエンターテインメント性を持たせ、1幕ものにし、台本も手直ししてバージョンアップ。前回に引き続きのキャストと今回新しいキャストとのバランスもよく、芝居は全体的に引き締まった感がある。
昨年に引き続き、この作品のメインキャラクターを演じている神賀旭役・猪野広樹、放浪者役・日和佑貴、九桜撫子役・井越有彩らは安定感があり、役に馴染んでいる。反逆者役の松下雄一郎はボクシングの心得があり、ファイティングシーンは迫力あり。楓役の鷲尾修斗はちょっとコミカルな味付けで笑いを誘う。ルーク役の櫻井圭登は相変わらずキュートでちょっと小生意気なキャラクターでアクセントに。

作品世界はパラレルワールド的でしかも未来、という設定、ヒロインは見た目は大人だが、子供の頃の純粋な気持ちのままに行動する。”ヒロインを想う同級生たち”は時空を超えて想いが持続する。時には直情的に、時には静かにヒロインを見守る“ナイト”たちは女性の理想像、このゲームが人気を博しているのもうなずける。
ファンタジックな設定であるが、描かれている本質的な感情は心が熱くなる。有心会ルートも政治ルートも納得の展開。ちなみに有心会とは、”未来の世界”では反政府勢力。この未来の世界でヒロインは翻弄されるのだが、翻弄の果ての結末が2通り、ということ。基はゲームなので、ストーリーは複数存在、このような展開となっている。

ゲネプロ後、会見が行われた。九桜撫子役の井越有彩は「ストーリーが(有心会ルートと政治ルートでは)全く違うので、いろんなことが見えます」と語った。
キャラクターは同じでも状況によって心の動きは変わる。2つの物語を見比べてそういった変化をチェック、従来の演劇とはひと味変わった鑑賞が出来るのが複数ルートの面白さ、出来れば両方観て楽しさ倍増、としたい。

■ 次回は人気ゲーム『STORM LOVER』、
学園もの、青春、恋愛と“3大お約束”要素満載


さて、ゴールデンウィークにまた、新たな作品が舞台化される。ディースリー・パブリッシャーの人気乙女ゲーム『SYORM LOVER』、いわゆる学園もの、ちょっと懐かしい響きがある。
“自由恋愛”をモットーとする名門私立セントルイス・ハイで繰り広げられる学園ものだそうである。当然“青春”とか“恋愛”とかは“お約束”。詳細は明らかではないが、“乙女心”をつかんでくれる予感がする。
気になる配役だが、卯都木悠人役・高崎俊吾、御子柴恭介・鷲尾修斗、寅谷立夏役・植田慎一郎、巳城タクミ役・五十嵐啓輔らが決まっている。昨年からシリーズ化されているオトメライブ、この作品が第4弾となる。
2次元から3次元に飛び出した登場人物たちが舞台上で繰り広げる恋愛模様、女性客の気持ちにジャストミートのゲームのライブエンターテインメント化、このシリーズに限らず、女性向けゲームの舞台化は今後とも増え続くと思われる。ファンの嬉しい悲鳴が聞こえそうだ。

『CLOCK ZERO~終焉の一秒~ A Live Moment』
3月12日~17日
星陵会館
/http://clock-zero.otomelive.com/

『STORM LOVER ~波打ち際の王子SUMMER!~』
俳優座劇場
5月4日~5月11日
/http://stormlover.otomelive.com

クレジット
(c) IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY
(c)2014 CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ A live Moment再演 製作委員会
《animeanime》
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