「はじまりのみち」原恵一と加瀬亮 専門学校生に作品について語る | アニメ!アニメ!

「はじまりのみち」原恵一と加瀬亮 専門学校生に作品について語る

原恵一監督の実写映画『はじまりのみち』は6月1日に劇場公開を迎える。5月15日には九州ビジュアルアーツにて、原監督と主演の加瀬亮さん、新垣プロデューサーによるワークショップが開催された。

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『はじまりのみち』ワークショップ
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「クレヨンしんちゃん」シリーズや『カラフル』などを送り出してきた原恵一監督の実写映画『はじまりのみち』は6月1日に劇場公開となる。公開に先立って、5月15日には九州ビジュアルアーツにて若い学生に向けたワークショップが行われた。
原監督と本作の新垣弘隆さんが登壇、さらに主演の加瀬亮さんがサプライズで出演し、参加者を喜ばせた。3人は専門学校の学生に向けて、企画の成り立ちや実写とアニメの違いなどを語った。

原監督は自身初の実写映画について「生誕100年という二度とない年に松竹から木下監督を描くということを聞き、最初は逃げたい気持ちでした。悩みましたが、一向に木下監督の再評価が始まらないことにもどかしさを感じていたし、やるしかないと思いました」と経緯について話した。
「最初は脚本の依頼だったんですが、脚本を書いているうちに手ごたえもあったので、最後まで付き合いたいと思い、監督をやりたいと言いました」と自ら志願したことを明らかにした。

だが、実写監督を務めて戸惑った点も多かったようだ。「ずっとカット割りをどうやって決めるのか疑問だったんですが、現場で決めるんだということを知ったときはパニックに陥りましたね。絵コンテは、机に向かって時間をかけて決めるので、あまりの違いに驚きました」と打ち明けた。
また「アニメのカット割りはとても細かく、自分はそれでも長いカットを作る方ですが、それでもアニメのやり方は持ち込めないと思いました」と、これまでとは異なる表現方法を迫られ、苦心した様子が窺えた。

一方の加瀬さんは「原監督が実写撮るけど興味あるか聞かれた時に、すごく興味があると伝えました。僕は実写初監督ということよりも監督の世界観がすごく好きだったので、そちらに興味があり、あまり初監督というところは気にならなかったです」と応えた。
新垣プロデューサーも続けて「オールスタッフミーティングの時に"自分はアニメーションをずっとやってきて、実写は初めてだけど、想いを届けることに変わりはない"と監督が言い放ち、スタッフ全員が監督についていこう! という気持ちになりました」と和やかに撮影が進んだことを伝えた。

最後に映画業界やアニメー業界を目指す生徒たちにメッセージが送られた。将来の夢を描く学生にとって有意義なワークショップとなった。
[高橋克則]

『はじまりのみち』
2013年6月1日(土)全国ロードショー
/http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/

[コメント]
原恵一監督
「僕もみなさんと同じような立場だったので、みなさんの将来への不安な気持ちはよくわかります。だからと言って、みんな頑張れば何とかなるとは言えないです。それは嘘だから。でも、これだけは間違いないんですが、全員がなりたい自分になれるわけではないけど、誰かはなれるんですよ。今もそういう人が現場で踏ん張っている。
あとは木下監督の映画で描かれているようなことになるかもしれないけど、僕も作りたいものが必ず作れるわけではないんですよね。それはしょうがないです。でも、誰かのせいにはしないことですね。自分の力が足りなかったということだと思ってほしいんですよね。そうやって腐らずにまた新たな挑戦をすればいいと思うんです。どうか本気で、だからと言って頑張りすぎることもないと思いますが、長くやることは大事です」

加瀬亮さん
「自分で考えたこと、愚直な努力をしたこと、位しか力にならないので、でも逆に言うとその二つは必ず力になるので、どんな方法でもいいし、どんな考え方でもいいんですが、自分がいいと思ったことに突き進んでほしいなと思います」

新垣プロデューサー
「みなさんのように何かを目指している人、目指しているけど上手くいかなかったり、失敗したり、打ちひしがれている、でもなんとか一歩前に踏み出したいと思っている人はきっといっぱいいると思います。
若い学生だけでなく、社会人でも、何歳になってもそうだと思うのですが、そういう人の背中を押せる作品を届けたいというのが、『はじまりのみち』の企画意図でした。この作品は一人の青年の挫折から再生へ向かう岐路を描いた作品なので、ぜひ観ていただきたいです」

配給: 松竹
監督・脚本: 原恵一
[出演]
加瀬亮、田中裕子、ユースケ・サンタマリア、濱田岳
《animeanime》
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