
『ももへの手紙』は7年の年月をかけて制作した大型作品として期待を集めている。そうしたタイミングで、沖浦監督の代表作で国内外から高い評価を受けた『人狼 JIN-ROH』の魅力を振り返る。
『人狼 JIN-ROH』は原作・脚本を押井守さんが務めたほか、演出に神山健治さん、作画監督に西尾鉄也さんなど現在のアニメを支える数多くの才能が集まった映画だ。第54回毎日映画コンクール・アニメーション賞受賞、ベルリン国際映画祭公式出品などの実績を持つ。
また、本作はセル画を使用して制作されたことも特徴である。アニメ制作は90年代後半よりデジタル彩色に移行した。本作が制作された頃には、セル画を利用したアニメは急速に姿を消しつつあった。そうしたなかで『人狼 JIN-ROH』は、アナログの技を極めた作品として登場した。同時に制作スタジオのプロダクション I.Gにとって、最後のセル画アニメでもあった。
展覧会ではこのセル画に代表されるセルアニメーションのアナログ技術にフォーカスする。実際にアニメ制作に使われたセル画、そのもとになった手描きの原画、さらに背景画などでアナログの魅力を伝える。さらに制作技術の紹介、機材の展示もする。
過去10年間に起きたアニメ制作の変遷を紹介し、アナログとデジタル双方の魅力に触れる。さらに沖浦啓之監督、プロダクションI.Gの石川光久社長のインタビューなどもモニター上映される。
画像: (c)1999 Mamoru Oshii/BANDAI VISUAL・Production I.G
「人狼 JIN-ROHセル画展 アナログアニメーションの魅力」
開催期間: 2011年9月21日(水)~11月20日(日)
開催場所: 杉並アニメーションミュージアム
入館料: 無料
主催: 杉並アニメーションミュージアム
協力: プロダクションI.G、バンダイビジュアル、バルク
杉並アニメーションミュージアムの公式サイトで確認ください。
/http://www.sam.or.jp/