2010年12月にサンリオの新たなキャラクター展開として生まれた「Wish me mell」が、このほどショートアニメとなった。可愛いメルたちが住むメルシーヒルズに大サーカスがやって来る「メルの友達ニィナと火吹きドラゴンのお母さんドラコとの出会い」のエピソードをモチーフに制作された。 アニメは6月中旬より携帯向けに限定公開されていたが、7月1日からは「Wish me mell ミラクル大サーカス」としてYouTubeで一般公開を開始した。
「Wish me mell」は、これまでのサンリオのキャラクターたちとは少し違ったコンセプトを持っている。つながりを大切にする15歳から20代の女性をターゲットに、ネット発のユーザー参加型のキャラクターとしている。 リアルのコンテンツと同時に、デジタルでの展開を積極的に進める。「Wish me mell」のブログで、メルをはじめとする7人の子供たちが自身の使命をみつけるまでの物語がオフィシャルブログで連載のかたちで語られている。
今回のアニメ制作もそのひとつで、携帯とウェブからまず発信し、「Wish me mell」の世界を伝える。アニメ制作にはウェブ発のアニメやショートアニメを得意とするファンワークスが担当する。アニメを通じたコミュニケーションを目指す。 また、新世代のアニメ監督として注目される武藤健司さんとSugarless Factoryを監督と制作チームに起用した。動画革命東京で『虫歯鉄道』、NHK教育テレビの『リトル・チャロ2』、動画協会クリエイターズワールド制作支援プロジェクト『化石ドロボウと恐竜石』などで活躍するチームだ。 サーカスの楽しい様子や愛らしいキャラクター、さらに火吹きドラゴンのドラコのファンタジックな演出などが注目される。FLASHアニメ、3Dアニメーション、エフェクト処理など、音楽などにも凝った多彩な表現が見どころだ。
アニメ制作は昨年12月からの展開の第一シーズン終了のクライマックスとの位置づけもある。この夏からは第二シーズンとして、立命館大学映像学部との産学連携プログラム「Wish me mell おうえんの旅」など新たなプロジェクトもスタートしている。 日本で最も成功したキャラクター会社ともいえるサンリオが、ネットとコミュニケーション発のキャラクターに挑戦する。キャラクタービジネスの新しい時代も感じさせるだけに今後も目が離せないプロジェクトである。