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両作品は東京国際映画祭の特別招待作品で、第23回東京国際映画祭のなかの数少ない日本アニメーションの公式上映である。上映会場となったTOHOシネマズ六本木 スクリーン2は満員となり、映画祭、プレミア上映らしい盛り上がりとなった。
映画の上映に先立って、作品にゆかり深いゲストが舞台挨拶に登壇した。『チェブラーシカ』でチェブラーシカ役の声を演じた大橋のぞみさん、中村誠監督、『くまのがっこう』から主人公ジャッキー役の松浦愛弓さん、原作者あいはらひろゆきさん、児玉徹郎監督だ。大橋のぞみさんと松浦愛弓さんの二人は自ら演じたキャラクターのぬいぐるみを抱えての登壇で、その愛らしさに会場が沸きかえった。
さらにロシアから『チェブラーシカ』の原作者であるエドゥアルド・ウスペンスキーさんが来日。今年73歳になるウスペンスキーさんが、1966年に自ら生みだしたキャラクターが40年以上経て、日本でアニメ化された喜びを語った。
ウスペンスキーさんは、今回の日本でのアニメーション化について「チェブラーシカが生まれ変わったことで、自分も生まれ変わった気持ちです。」と感慨深げであった。また「チェブラーシカは、ロシアの人々のそれぞれの中で生きています。今度は日本人のなかに生きるでしょう。チェブラーシカを大事にしてください」とメッセージを残した。
今回、公開される『チェブラーシカ』は、1969年から1983年にかけて制作されたロシアのアニメーションをリスペクトした映画だ。オリジナル映画と同様にストップモーション・アニメーションで6年の歳月をかけて制作した。旧作の『ワニのゲーナ』のリメイクに、日本での完全新作2本からなる。中村誠監督は、「ロシアと日本、それと韓国のスタジオ、3ヶ国の協力の成果です。」と紹介する。
一方、『くまのがっこう ジャッキーとケイティ』は、シリーズ15冊合計170万部を超えるあいはら ひろゆきさん(文)とあだちなみさん(絵)の人気絵本を初めて映像化したものだ。監督は短編アニメーションの制作で数々の賞を獲得した児玉徹郎さん、現在、もっとも期待されているアニメーション監督のひとりだ。
児玉監督は「可愛らしさを散りばめました。それを実感していただければ」と話す。本作公開は12月18日、クリスマスシーズンにあたる。『チェブラーシカ』ともども親子で楽しめる映画に仕上がっている。
『チェブラーシカ』
『くまのがっこう ジャッキーとケイティ』
(同時上映)
/http://www.cheb-kuma.com/
12月18日(土)全国東宝系にて公開
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