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壇上にはコスプレ専門誌の編集長として、長年コスプレを関わってきた大門太朗さん、世界最大のコスプレコミュニティサイト cosplay.comのアジアエリア担当マネジャーで自身もコスプレを楽しむジャッキー道斎さん、コナミデジタルエンタテインメント小島プロダクション広報担当の山本さやかさんが登壇した。モデレーターの高橋信之さんの司会により、現在のコスプレの状況とゲームとコスプレの関係の変化を紹介した。
高橋信之さんは、今回東京ゲームショウの中でこれまでになくコスプレを大きく取り上げた理由についてインタラクティブ性を挙げる。作品の中に登場するキャラクターを演じることは、作品を受け取り、それをもう一度発信するインタラクティブな行為なのだという。それはゲームの持つインタラクティブなエンタテイメントと共通すると述べる。
より身近なところでは、コスプレイヤーがコスプレに選ぶキャラクターがゲームから選ばれるケースが増えているということもある。大門太朗さんによれば、現在のコスプレのキャラクターは、ゲームからが一番多く、その全体での比率はアニメとマンガを足したものと同じぐらいではないかという。
また、ジャッキー道斎さんは、自身はゲームコスプレから入ったが実はそれは少数派であると話す。実際には、アニメ、マンガから入る人が多いと説明する。コスプレを媒介にアニメ、マンガ、ゲームのファンが、様々なかたちで融合していることが窺える。山本さやかさんは、企業の立場からそうしたコスプレ文化を応援して行きたいとした。
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アニメ、マンガ、ゲームコンテンツと結びついてきたさらにJ-POPカルチャーと強力に結びついていく可能性を提示するものだ。アニメ、マンガ、ゲームコンテンツ、そしてダンスミュージック、ネット発のPV文化、様々な日本のサブカルチャーを結びつける核にコスプレがあるというわけである。
続いて海外から来日したコスプレイヤーが、そのコスプレ姿を披露した。ドイツから訪れたヒズエさんは、東京ゲーム2010のイメージキャラクターを演ずる。そして、米国からのアデラさんはソウルキャリバーソフィーティア、台湾出身の琉架さんはミク頭巾の衣装である。いずれも世界トップクラスのコスプレということで、その完成度の高さに驚かされた。
コスプレは、またポップカルチャーを通じた国際交流の場でも大きな役割が期待されているようだ。ヒズエさんは「日本のコスプレ文化にはカメラマンが多いですね」と、アデラさんは「アメリカのコスプレはホテルで着替えをするんです」と国ごとやや異なるコスプレカルチャーを紹介した。
今回のパネリストの一人であったジャッキー道斎さんに、コスプレと東京ゲームショウとの関係について伺ってみた。
「一昔前のゲームショウでは、コスプレは必ずしもウェルカムではなかった。こうした企画として取り上げられることで、コスプレが文化として認めらる様になって来たと感じる。それはコスプレのレベルが上がっていることも理由かもしれない」とコスプレ文化の受け取られかたの変化を指摘する。
さらに「一方で、コスプレに広告効果の様なものも期待されているかもしれない。一部の企業は、キャラクターのコスプレをして貰えるか意識していることもあるようだ」と話す。存在感が増すと同時に、コスプレの立ち位置をどこに置くかも今後重要になりそうだ。
コスプレイベントは、一般デーにより大きく拡大する。9月18日には先の東大まるきゅうプロジェクトも参加するコスプレダンスナイトも開催された。また、コスプレゾーンも会場に設置するなど、東京ゲームショウが積極的にコスプレを応援する。
CosPlay@TGS2010
/http://expo.nikkeibp.co.jp/tgs/2010/visitor/cosplay.html
東京ゲームショウ2010
/http://tgs.cesa.or.jp/
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琉架さん、ヒズエさん、アデラさん