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山本寛監督は『フラクタル』の制作にあたり、声明と題された文章を明らかにしている。その中で監督は「もうアニメは駄目かも知れない」と言及し、さらに「犬死覚悟で、もう一本だけアニメを監督してみようと思います。」と、その意気込みを語る。
作品は山本寛監督のほかにも、話題のクリエイターが並ぶ。ストーリー原案を哲学者の東浩紀さんが
手がけた。東浩紀さんは政治からサブカルチャーまで幅広い事象に対する批評家としても知られており、本年は初執筆のSF小説『クォンタム・ファミリーズ』で三島由紀夫賞を受賞するなど多方面で活動を行う。今回は話題の監督のアニメに参加することになった。
シリーズ構成には『黒執事』シリーズや『True Tears』などファンから評価の高い作品を多く生み出してきた岡田麿里さん、キャラクター原案には「このライトノベルがすごい! 2010」イラストレーター部門にて第3位となった 左 が参加する。まさに異色のコラボレーションと言える。アニメーション制作はA-1 Pictures、さらにプロダクション協力として山本監督の率いるOrdetが加わる。
そうした話題のクリエイターたちによる『フラクタル』の物語は、退廃した未来での少年と少女の出会いを描いた冒険ファンタジーになる。舞台となるその時代では、世界を管理するフラクタル・システムが完成しており、人類は働かなくても生きていくことができる楽園での生活を送っている。
しかし、千年が過ぎたある頃、そのフラクタル・システムが崩壊し始める。ところがそのシステムを解析出来る人間はひとりもいなくなっていた。そんななかで、漫然と日々を生きてきた少年 クレインは、ある日何者かに追われ崖の下に転落した少女フリュネを助ける。それをきっかけにクレインは、システムの秘密に関ることになる。
作品は人気アニメ、話題作が続出する「ノイタミナ」の2011年1月スタートのシーズンの1本となる。放映開始までまだ少し時間があるが、話題作として注目を浴びそうだ。
(C)フラクタル製作委員
『フラクタル』 /http://fractale.noitamina.tv/
2011年1月よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送
『フラクタル』
監督: 山本寛
原作: マンデルブロ・エンジン
シリーズ構成: 岡田麿里
ストーリー原案: 東浩紀
キャラクター原案: 左
アニメーション制作: A-1 Pictures
プロダクション協力: Ordet