「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」 GACKTさんオフィシャルインタビュー(1) | アニメ!アニメ!

「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」 GACKTさんオフィシャルインタビュー(1)

イベント・レポート

 2006年のフランス最大のヒット作となった巨匠リュック・ベッソン監督作『アーサーとミニモイの不思議な国』。その待望続編で前作に続き大ヒットとなった『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』が、4月29日に全国公開を迎えた。
 今回の『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』は、『アーサー』3部作の第2章、CGアニメーションと実写が融合した誰も見たことのない映像と、「少年が身長2mmの“ミニモイ”に変身し、地下王国の危機を救う」という夢あふれる物語が魅力となっている。

 そして、さらに大きな見どころとなっているのが、前作に引き続き、アーサーの宿敵となるマルタザール役吹替え版キャストにGACKTさんが決まったことだ。アーティストとしてだけでなく、役者としても活躍するGACKTさんが映画をさらに魅力あるものとする。
 今回は、そのマルタザール役を演じるGACKTさんのオフィシャルインタビューを紹介する。


『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』 /http://www.arthur-movie.jp/


『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』GACKTさんオフィシャルインタビュー

Q:前回もマルタザール役で声優として出演されましたが、どういった経緯で、本作に参加されることになったのですか?

GACKT:
最初は、「こういう面白い役があるんだけど」ということで、マルタザール役の話が来たんだ。僕は声優という仕事にもともと非常に興味があったし、特に、「自分が1人の大人として、子供たちに対して何かできることがないか」ということを考えるようになっていった。だから尚更、子供たちに対してアプローチできる今回のような仕事は、優先して引き受けるようにしている。それが参加した大きな理由だね。

Q:リュック・ベッソン監督から直接オファーがあったのですか?

GACKT:
1番最初は、リュック・ベッソンからのオファーということではなかったんだ。
シリーズ1作目の時に、映画会社から話が来たんだけれど、声を録音した後でリュックがそれを実際に聴いて、とても気に入ってくれた。それで、その後に彼が僕の資料を見たときに、「えっ、こんな人なの?」と、声と顔のギャップに驚いたみたい(笑)。彼は僕の事をもっと大きくて、ごつい人だと想像していたみたいで、「こんな青年なの?」と言われてね。「そんなに若くないよ」って言ったんだけれど(笑)。
その後、実際にリュックと会ったんだけど、すごく気が合って、「アーサーは実はこういう展開でさ……」っていう話もして、「またやってくれたら嬉しいな」って、彼はその時に言ってくれていたんだ。それで今回、2作目の話で彼から指名されてね。彼は、クリエイターとしても尊敬している人だから、彼の気持ちに応えたいっていう気持ちがあった。それに、続投のリクエストの声も多くあったし、同時に子供達とも触れ合える作品でもあったから、「やろう!」っていうことになったんだ。

Q:リュック・ベッソン監督の他の作品はご覧になっているんですか?

GACKT:
全部見てる。

Q:では、かなり好きな監督なんですか?

GACKT:
そうだね。やっぱり1番好きなのは『レオン』かな。
描写の仕方が非常に美しいと思ったし、彼が起用したゲイリー・オールドマンが素晴らしかった。僕はゲイリーが大好きなんだけど、あの時、ゲイリーはアル中だったんだ。そんなアル中のゲイリーを起用するあたり、「(リュック・ベッソンは)すごいな」って思ったよ(笑)。

Q:結構マニアックなところに目が行くんですね。

GACKT:
僕?そうかな?
確かにジャン・レノたちの演技も良かったけど、実際にあの映画を引き立たせたのはゲイリーだと思う。そのゲイリーを起用したリュック・ベッソンはすごく面白いと思うんだよね。

それに、ゲイリーやリュックには、映画に対する思いの強さとか心意気とかをすごく感じるんだ。リュックがゲイリーと作品のことについて色々話をしたことがあるらしいんだけど、それを聞いたゲイリーが、「それはどんな役なんだ?俺が想像するにはこんな役なんだけど、合ってるようだったら言ってくれ」って言って、レストランの中で、“ガッシャン、ガッシャン”と暴れ出したらしいんだ(笑)。
それで散々暴れた後に「こんな感じか?」って聞いたら、それをリュックがすごく気に入って、ゲイリーに決まったらしいんだよ。

普通だったら、そういう人がいたら引くじゃない?でも、彼は作品に対して愛情があって、「こういう人を入れた方が面白くなる」ということが分かっていたからこそ、ゲイリーを起用しているんだ。大人はなかなかそういった思い切ったことは出来ないし、子供心があるからこそ出来ることだと思うんだ。それに、リュックのそういう所って、クリエイティブにもすごく反映されていると思うんだよ。今回の『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』や、彼の他の作品に関しても、長年温めてきた熱い思いを感じるし、クリエイティブに対する純粋なところや、ひたむきな姿勢が大好きなんだ。だからこそ、この作品に僕が携れたことを誇りに思うし、彼に対して「応えたい」という気持ちがとても強いね。

        GACKTafureko.jpg

Q:声を録るときは、どういったイメージでやってらっしゃるんですか?

GACKT:
声を録る時は、ブースの中に様々な映画制作陣がいるんだけど、まず、いつもしている僕の仕事のやり方っていうのがあって、だいたいみんなが持ってる僕の声のイメージっていうのは、普段いつも喋ってる声だと思うから、幅が狭いわけなんだよ。僕は、それが面白くないと思うから、いつもブースに入った時に、自分が持ってる声を何パターンもやってみて、「好きな声はどれ?」って聞くんだ。そうやってイメージを膨らませてあげることで、「こっちの方がマルタザールに合ってると思う」とか、「ゲームのキャラクターだったらこっちの方が合ってる」とかみんなの意見を聞いて声を決めるんだよ。それぞれのキャラクターによって声も違うし、アプローチの仕方も違うし、更には対象も違うわけじゃない?例えば、子供に対してなのか?少年に対してなのか?もしくは、女性に対してなのか、男性に対してなのか?それによって全然違ってくるから、色々なパターンを出してみて、「この中からピックアップしていいよ」って提案するやり方を必ずやるようにしてるんだ。

Q:リュック・ベッソン監督はどんな方でしたか?

GACKT:
リュックは非常に子供っぽい部分を持ってるんだ。
それと、やらなくちゃいけない、たくさんある大人の仕事にうんざりしているなっていうのがよく窺えるよね(笑)。
でも、そういった、やらざるを得ない大人の部分を感じながら仕事をしているからこそ、今の彼の地位があるんだと思う。だから、すごく気を遣う人でもあるし、気を遣うことに対して疲れることもあるから、撮影や取材の時には、ほとんどの人間をシャットアウトするんだ。僕もリュックと似てて、あんまり人がいるとイライラするというか、「落ち着かないな」と思ってしまうことがある。

Q:同じクリエイターとして、リュック・ベッソン監督に共感できることはありますか?

GACKT:
彼の場合は完全に制作側の人間で、僕はどちらかというと半々っていう感じなんだよ。演者でもあるし、制作側の人間でもある。普通はこういう仕事をもらった時は、演者として、与えられた仕事をこなせばいいだけだと思うんだけど、僕は半分制作側の人間でもあるから、「対象が子供だとしたら、こういうアプローチの方がいい」とか、「この作品は3部作で、今回は2作目にあたるものだから、もっとこのキャラクターが立つように、こういうアプローチをした方がいいだろう」っていうのを考えながら、いつもやるようにしてるんだ。

僕は「作る側の意図を考えてやりたい」という気持ちがどうしてもある。だから、制作する側の立場に立って、受け取り手のことも含めて、客観視しながら仕事をするスタンスが癖になってるんだ。

でも、それは普段自分が制作側でもあるからこそ、そういうスタンスに自然になってしまうわけだけど、ただ単に来た仕事を「はい、やります」って仕事の仕方をしている人は、そんなことは面倒くさいから考えないだろうしね。

Q:『アーサー』シリーズは、子供達に対するメッセージがたくさん詰まっている映画だと思うのですが、GACKTさんは、この『アーサーと魔王マルタザールの逆襲』を見る子供達に、どんなメッセージを受け取ってほしいですか?またどんな部分を見てほしいですか?

GACKT:
直接的なメッセージはあまり言いたくないけど、『アーサー』の世界観は、僕らが子供の頃に「もしかしたら、こういう妖精がいるんじゃないか」と思っていた世界を表現してくれているじゃないかな?でも、実は地球上には、僕らが知らないことがたくさんあって、それで成り立ってることがたくさんある。そういう所をこの作品はふんだんに使っているよね。実際に僕ら人間は今、侵しちゃいけない世界の領域を、どんどん侵食してるじゃない?
この映画のメッセージには、そういう事もたくさん含まれていると思うんだ。例えば、本来ならば僕らの入っちゃいけない領域なのに、既に僕らは入ってしまっていたり、更に、僕らはそれを守らなければいけない立場なのに、知らず知らずのうちに、それをどんどん壊してしまっていたり……。そういうことを、子供達が映画全体を通して、「何となく分かってくれればいいな」って思うよね。

でも、それをあまり前に出し過ぎちゃうと、作品って面白くなくなっちゃうんだよ。難しくなるし。だからこそ、「何となく感じてくれたらいいな」って思うし、映画を観た後、まず1番最初に「面白いな」って思ってくれるかどうかだと思うんだ。それで何回も何回も見ているうちに、それが子供の思考にテイストとして入っていく。そうしたら、「以前よりも少し優しくなれる」という結果になると思うんだよ。だから、メッセージが1番前に立っちゃいけないと思うんだ。やっぱりエンターテインメントって、そういうものだと思うしね。

それに、やりすぎてしまうと、「言いたいことは分かるけど、伝わらないよね」っていうことになってしまうし、逆に子供達が受け入れてくれなくなっちゃうと思うんだ。大人は観た後で「言いたいことは分かるよ」ってその一言で終わっちゃうけど、子供の場合は、もう分かるとか分からないとか以前に、拒絶して見なくなるからね。子供はそういう意味で分かりやすいよね。

Q:GACKTさんが演じたマルタザール役を除いて、気に入ったキャラクターがいれば、教えて下さい。

GACKT:
僕はセレニアみたいな、気が強くて、でも実はハートフルなキャラクターっていうのは好きだね。


GACKTさんオフィシャルインタビュー(2)に続く
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集