アフロヘアの侍が、ラップをBGMに国籍不明の舞台の中、派手なアクションを展開するかなり個性的な作品だ。ときにはアバンギャルドにも見えるこの作品は、米国の若者たちから予想も上回る大きな支持を得た。
そして、2009年1月にファンの強い要望もあり、続編『アフロサムライ レザレクション』が登場した。声優には、前作に引き続き米国の人気俳優サミュエル・ジャクソン、そして今回新たにルーシー・リューにマーク・ハミルと人気の役者が加わった。
また映像も、前作を遥かに上回るスケールだ。剣と近代兵器が入り混じる世界では、一体何が起こっているのか判らないほど、人も武器も凄いスピードで動き回る。

(c)2009 岡崎能士・GONZO
『アフロサムライ レザレクション』は、前作同様に大きな人気を獲得する。映像パッケージの売上高はシリーズ累計40万本以上、今年1月に発売されたゲームソフトの売上げも40万本を超える。
遂には、米国のテレビ番組の最高峰エミー賞で、美術監督の池田繁美さんがアニメーション個人部門の審査員賞受賞、さらにアニメーション作品賞にもノミネートされるという快挙を成し遂げた。
この『アフロサムライ レザレクション』が、米国リリースからおよそ10ヶ月、遂に日本上陸を果たした。12月から渋谷シネマライズほかで劇場公開されることが決まり、9月27日にシネマライズで完成試写会が開催された。
試写会には、原作者の岡崎能士さん、監督の木﨑文智さん、そして先日、ロサンゼルスでエミー賞を受賞したばかりの池田繁美さんがそのトロフィーを携えて登壇した。
そして、授賞式には夫婦で和服姿で登場したことについては、日本らしさを意識したようだ。今回の作品ではアメリカ人に受けるよう、アメリカの向けに作ったという池田さんのこうしたこだわりが、評価につながっているのかもしれない。
前作に続いて高い評価を得た2作目について、木﨑監督は岡崎さんを「考えもしないようなアイデアが出てくるんです。凄い引き出しを持っていて、常人じゃ考えつかないような面白いアイデアを持ってらっしゃるんです」と大絶賛。
それに対して岡崎さんは、「いや、監督、凄く厳しいんです。僕的には必死でした」と実は、相当アイディアを振り絞った様子だった。とにかく「単純にアフロ1より面白いもの、いいものを目指しました」と語る監督と岡崎さんの強力タッグがかつてない映像世界の実現の原動力となったようだ。

『アフロサムライ:レザレクション』 /http://www.afrosamurai2.jp/
12月よりシネマライズ他にてロードショー
監督: 木﨑文智
原作: 岡崎能士
脚本: むとうやすゆき/LEO CHU & ERIC GARCIA ERIC CALDERON JOSH FIALKOV (英語版) キャラクターデザイン・総作画監督: 飯島弘也
美術監督: 池田繁美
音楽: The RZA
制作協力: SPIKE TV UPPITY FILMS
アニメーション制作: GONZO
製作: GONZO
後援: X LARGE