イベントは7月17日と7月28日に行われる。17日には『千と千尋の神隠し』の上映会、28日は『アニメーションの巨匠宮崎駿に捧げる: “A Tribute to Animation Master Hayao Miyazaki』と題したものとなる。いずれも米国アカデミーのサミュエル・ゴールドウィン・シアターにて開催する。 このうち宮崎監督が登場するのは28日のイベントで、米国アカデミーの開催する「マーク・デイビズのアニメーションの祝祭: Marc Davis Celebration of Animation series」と題したシリーズの一環となる。イベントのホストをディズニー/ピクサーのアニメーション監督でCCOのジョン・ラセター氏が務める。 このイベントの中では、これまでの宮崎監督の映画の紹介が行われ、監督自身が作品について語る予定である。ラセター監督と宮崎監督、日米の大物監督の対話も話題を呼びそうだ。
宮崎監督はこのほか7月25日にも、カリフルニア州のサンフランシスコにほど近い、カリフォルニア大学バークレイ校日本研究センターでも講演を行う予定である。こちらは「伝説の映画人宮崎駿との対話: A Conversation with Hayao Miyazaki Legendary Filmmaker」と題されている。 こうした宮崎監督の米国での積極的な活動は、8月14日に迫る『崖の上のポニョ』の全米公開のプロモーションも兼ねていると見られる。『崖の上のポニョ』の公開では、フランク・マーシャル氏、キャスリーン・ケネディ氏、そしてジョン・ラセター氏といった大物をプロデュサーに招き、宮崎アニメとしては過去最高の800館規模の公開を行う。映画的な評価だけでなく興行的な成功を、これまでになく目指している様子が伺える。
また、米国アカデミーでの上映会とトークイベントに合わせて、イベント当日は現在ビバリーヒルズのアカデミー賞ギャラリー(Academy Galleries)で行ってい展示会『アニメ!ハイアートからポップカルチャー: ANIME! High Art - Pop Culture,』の終了時間を延長する。 『アニメ!ハイアートからポップカルチャー』は、400枚のセル画を中心に、映像やキャラクターモデルなどで日本のアニメの世界を紹介するものである。展覧会は8月23日まで開催される。 同様の展覧会は昨年ドイツのフランクフルトのドイツ映画博物館、デンマークコペンハーゲンでも開催されており、さらに10月9日から2010年1月10日にかけて、オランダで開催されるゲント映画祭に巡回する予定である。