「凄かった」、「映画を作っている人達は観るべき作品」と高い評価がある一方で、「やり過ぎ」といった意見もあり、挑戦的な作風に相応しく観客の評価も真っ二つに割れている。年末に向けてかなりの話題作になりそうな気配だ。

Photo: 菊池くらげ
『誰も死なない』は、世界的な現代美術家である村上隆氏が代表を務めるカイカイキキが初めて製作を手がける劇場映画である。また、同氏がエグゼクティブプロデューサーを行う。
現代アートから世界中を驚かせた村上氏の映画界での新たな挑戦が、いま注目されている。
監督のMr.氏は村上隆氏の一番弟子、アニメのヒロインの延長線上にアーティスト活動を行う。そのオタク的な個性で、世界各地にファンを持つ。今回の映画では、美少女たちとミリタリーが融合した不思議な映像を作り出した。
映画は30分超の短編ながら、際立った個性で観るものを惹きつける。既にロンドンのアートフェアやパリでも上映されている。

Photo: 菊池くらげ
今回の『誰も死なない』は、製作だけでなく制作や配給まで全てをカイカイキキが行うのも特長になっている。アート集団の映画製作に加えて、こうしたビジネス面での挑戦も興味深くなっている。
カイカイキキはこの後も、アニメーション作品を含むさらなる映画企画を持っているという。さらに26日には米国メディアが、村上隆氏がロサンゼルスにアニメーションスタジオを設立すると発表したばかりである。
もともと村上氏の美術作品は、アニメやマンガ、フィギュアのイメージを大胆に取り込んだものだった。
しかし、現在の村上氏は、そうしたアートの中へのサブカルチャーの引用から離れて、サブカルチャー自体を生み出す方向に向かっているようだ。
誰も死なない /http://nobodydies.jp/
2008年11月22日~ 下北沢トリウッド 公開中
下北沢トリウッド /http://homepage1.nifty.com/tollywood/
エクゼクティブプロデューサー: 村上隆
監督: Mr.
出演: 前田希美/和田瞳/鈴木瑠華/小西悠加/しほの涼
34分 5.1chサウンド
制作・配給: カイカイキキ /http://www.kaikaikiki.co.jp/