TIFFCOM2008 国際映画見本市として定着進む  | アニメ!アニメ!

TIFFCOM2008 国際映画見本市として定着進む 

レビュー イベント

[参加者数 過去最高を更新]
 TIFFCOMは日本の映画やテレビ番組、アニメ、ゲーム、キャラクターなどの総合的なコンテンツ国際見本市として、2004年に東京国際映画祭の併催企画として始まった。今年は10月22日から24日まで、東京・六本木ヒルズで開催された。
 今年の会場は例年に増して賑わい、開催から5年間で確実な成長している様子を伺わせるものだった。実際に参加者数は、過去最高だった昨年を16%上回る19843人と史上最高を更新している。

 数字面だけでなく、今年は会場に訪れる海外からのバイヤーの数が例年より見られ、国際ビジネスの場として拡大していた。また、会場内でのミーティングは多数見受けられ、多くのビジネスが進んでいることを感じさせた。
 参加のための登録料が1名1万円という比較的高額であること、ほぼ同時期に開催された釜山国際映画祭のアジア・フィルムマーケットの低調が伝えられていることを考えれば、十分な成功と言っていいだろう。

「映像特化が進むTIFFCOM」
 こうした成功は、TIFFCOMが映画・テレビ番組のマーケットとして定着しつつあることが理由だろう。TIFFCOMは開始当初は、世界に売れる日本のコンテンツということでアニメが大きく取り上げられるケースが多かった。
 しかし、今年は特に実写映画、テレビ番組のラインナップが各社目立った。日本の企業には、アニメと実写映画双方を扱うケースも多いのだが、そうした企業の多くが実写作品をより前面に出していた。アニメの見本市については東京国際アニメフェアもあるので、アニメ=アニメフェア、映像作品全般=TIFFCOMとの棲み分けが進んでいるようだ。

 むしろ出展コンテンツの映画、テレビ番組への集中が進み、小説やゲームといったコンテンツは今回全く見られなかった。このため当初、TIFFCOMが目指した総合的なコンテンツの見本市という方向性からは、現在は大きく異なったかたちになっている。
 これは東京国際映画祭との併催という環境が大きな影響を与えているためである。しかしそれだけでなく、日本国内に映画、映像作品に特化した国際見本市が潜在的に求められていたため、TIFFCOMがその受け皿になったとも言える。

 さらに今回、際立った進展があったのは、海外からの企業ブースが増え、また活発に活動していたことだ。海外からの出展では、韓国と台湾の大手メディアが出揃って積極的なプロモーションを行っていたのが印象的である。
 中国からの出展もかつての記念出展的なものから、ビジネスを念頭に入れたものに変りつつある。このため日本だけでなく、北東アジアの映画マーケットであることを強く感じさせるものとなった。

[TIFFCOMの強みは双方向取引]
 コンテンツ分野の見本市としては、東京ゲームショウや東京国際アニメフェアといった大きなイベントが国内には存在する。しかし、こうしたイベントは国際的にはよく知られた存在だが、実際のビジネスは日本のコンテンツを北米、ヨーロッパ、アジアといった海外に販売することがほとんどである。
 海外のコンテンツを日本が買う、海外の企業同士がビジネスを行うケースはあまりない。見本市の規模の大きさでは注目度は高いが、ビジネスの機能としては片肺飛行の状況だ。

 そうしたなかでTIFFCOMが輸出と輸入、三角取引を実現させつつあることは、他のマーケットにはない強みである。日本の映像コンテンツに興味ある企業は、アジア・欧米に限らず、韓国や台湾・香港といった国の映画、番組にも関心を持っているケースが多い。
 TIFFCOMでこうした国のコンテンツがまとめて見ることが出来れば、見本市としての魅力はさらに増すに違いない。そして人が集まることで情報が集まり、共同制作といった新たな取り組みもこの中から生まれる。

[東京国際映画祭の知名度向上が今後の鍵]
 しかし、確実に成長していると言ってもTIFFCOMの規模と影響力は、国際的な映画・テレビ番組の見本市のなかでは規模感、存在感はまだまだ小さい。今後もさらに規模の拡大を目指す必要があるのは言うまでもない。
 ビジネス機能が国際ビジネスに対応出来るレベルになった現在、TIFFCOMに次に求められているステップはこの機能の拡大と活用である。

 その際に問題になるのは、実は東京国際映画祭の国際的な知名度である。国際映画製作者連盟公認、23年の歴史を持つにも関わらず、その国際的な存在感は大きくない。TIFFCOMは国際映画祭併催という性格上、その成長は東京国際映画祭の知名度に制約される。
 東京国際映画祭が大作娯楽作品を主に提供する場や人気スターだけを取り上げる場だけでないことは理解出来る。しかし、地味すぎる企画によって、海外だけでなく、国内においてもその規模に相応しい注目をされていないという現実がある。

 より華やかなイベントを導入することで、東京国際映画祭の国内外の知名度を上げることは、日本の映画ビジネスにとって意味があるだろう。映画祭には情報の交換、文化の発信、映画産業の振興といった複合的な機能が求められている。
 意義深いことをやっているという成果だけでは不十分である。映画祭の活動を広く知らせて、国内外から人と情報が集まることが重要である。そうしたなかでTIFFCOMはさらに発展することが可能になるのではないだろうか。
[数土直志]

TIFFCOM  /http://www.tiffcom.jp/
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