古いヨーロッパの叙事詩を原作とする3Dアニメーション『ベオウルフ』が、米国で11月16日に劇場公開され週末興行でトップに躍り出た。興行収入は2750万ドル(約31億円)である。 これは先週1位となったこちらも3Dアニメーションである『ビームービー』を押さえてのものである。しかし、オープニングの週末の興行成績は『ビームービー』が3800万ドル(約41億円)だから、こちらはやや負けている。 いずれにしても先週の米国の週末興行は、3Dアニメーションが1位と2位を占めたことになる。しかし、この2作品、同じ3Dアニメーションであるが全く趣が異なる作品である。 『ビームービー』は、ドリームワークスアニメーションが得意とする擬人化された動物を主人公にした子供向けの作品である。一方で『ベオウルフ』は、モーションキャプチャやフェイシャルキャプチャを多用したものである。演じる俳優の動きや表情、個性までをも、3Dアニメーションとして再現する。 ちょっと見には、普通の俳優が演じている高度に発達したVFX映画にしか見えない。また、SF・ファンタジーのような世界観で映画のターゲットは成年層である。物語は『ロード・オブ・ザ・リング』や『300』、『コナン・ザ・グレート』に近いだろう。 作品の監督ロバート・ゼメキスは、実は2004年にも今回と同じ技術を使って『ポーラーエクスプレス』を制作している。その時は子供向けのファンタジー映画だった。 『ポーラーエクスプレス』は興行成績はほどほどだったが、主人公のトム・ハンクスなど主役級数人以外はキャラクターが死んだようと当時は技術的には否定的な意見が多かった。 しかし、あれから3年がたち技術の進歩と適用範囲が広がったせいか、今回はその映像表現は高い評価を得ている。 こうした『ベオウルフ』の好評価は、これから本格化するアニメーションの賞レースにも少なくない影響を与えるかもしれない。 新しい技術が成功するということ自体がハリウッド好みであるし、興行成績の確保も好感を与えるだろう。公開時期と賞レースの選考時期が重なることも、審査委員に大きな印象を残す点で有利である。 しかし問題は、幾ら加工されているとはいえ名の知られた俳優の姿そのままに出てくる『ベオウルフ』が、アニメーション作品として心理的に受け入れられるかである。さらに子供向け作品こそを本流とする米国のアニメーション界で、『ベオウルフ』が優位に立てるかという問題もある。 『ベオウルフ』にどのような評価が下されるかで、現在の米国アニメーション界の技術やテーマの選択に対する考え方も透けて見えてきそうだ。作品は日本では12月1日から全国ロードショーされる。ベオウルフ/呪われし勇者公式サイト /http://wwws.warnerbros.co.jp/beowulf/
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