「手塚治虫文化賞」を主催する朝日新聞社は、大賞をはじめとする第11回の各賞の発表を行なった。昨年発行した最も優れた作品を選ぶ大賞は、山岸凉子さんの『舞姫 テレプシコーラ』(メディアファクトリー刊)が受賞した。 また、清新な才能や画期的なテーマに与えられる新生賞はのぞゑのぶひろさん作画、岩田和博さん企画・脚色の『神聖喜劇』(幻冬舎刊)が、短編賞には森下裕美さんの『大阪ハムレット』(双葉社刊)が選ばれた。 マンガ大賞はマンガ関係者の推薦と読者の投票による対象作品から、審査委員8名の投票(持ち点15点、1作品最大5点まで投票可)により最終選考作品が決められる。その後、最終選考作品から審査委員の合議制で大賞が決まる。 朝日新聞の公開した1次選考結果によれば、投票段階では『舞姫 テレプシコーラ』は既に1位となっており、2位の『のだめカンタービレ』が辞退したことから大差で文句なくの受賞となったようである。 『舞姫 テレプシコーラ』はバレエを舞台にしたマンガで、バレエを通じて様々な人間ドラマを描き出している。2000年の連載開始以来、これまでにも度々マンガ大賞の候補にあがっていた。昨年はドラマの山場となる第1部が完結し、作品のクオリティーの高さがあらため評価され、今回の受賞となったといえる。 少女マンガのジャンルからの受賞は、第1回のマンガ優秀賞に萩尾望都さんの『残酷な神が支配する』などはあるが、これまでは数が少なかった。 山岸凉子さんは24年組と呼ばれる少女マンガ界の大御所の一人である。70年代の代表作『アラベスク』、80年代の代表作『日出処の天子』などで話題作が数多い。 新生賞の『神聖喜劇』は、大西巨人さんの文学小説『神聖喜劇』のマンガ化で戦前の日本軍を舞台にしている。短編賞の『大阪ハムレット』は「漫画アクション」に連載中、大阪の下町を舞台にした独特のショートストーリーが魅力となっている。 また、今回はマンガ文化に貢献する個人・団体に贈る特別賞は該当なしとなった。朝日新聞社は、マンガ評論家の故米澤嘉博さんを推す声もあったが専門家の意見を参考にした結果、該当者なしになったとしている。大賞「舞姫 テレプシコーラ」 山岸凉子(メディアファクトリー)新生賞「新生喜劇」 のぞゑのぶひろさん作画、岩田和博さん企画・脚色(幻冬舎)短編賞「大阪ハムレット」 森下裕美(双葉社)特別賞 該当なし審査員による一次選考結果① 「舞姫 テレプシコーラ」 21点 山岸凉子(メディアファクトリー)② (辞退)「のだめカンタービレ」 18点 二ノ宮知子(講談社)③ 「大阪ハムレット」 13点 森下裕美(双葉社)④ 「もやしもん」 10点 石川雅之(講談社)⑤ 「へうげもの」 7点 山田芳裕(講談社)⑥ 「大奥」 7点 よしながふみ(白泉社)⑦ 「DEATH NOTE」 6点 大場つぐみ・作、小畑健・画(集英社)⑧ 「団地ともお」 5点 小田扉(小学館)⑧ 「皇国の守護者」 5点 佐藤大輔・作、伊藤悠・画(集英社)
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