米国のサブカルチャー分野の業界情報サイトICV2は、自社の調査の結果として「米国のマンガ業界で最も影響力のある10人というリストを発表している。これは、今年7月に発表した「米国のアニメ業界で最も影響力のある10人」に次ぐ企画である。 いずれもICV2が、様々な業界関係者からの聞き取り調査によってまとめたもので、比較的公平で納得行くリストとなっている。 今回の発表されたマンガ業界のリストで特徴的なのは、リストに挙がった人達のほとんどがマンガ出版社のエグゼクティブになっている点である。日本マンガ最大の出版社VizメディアからはCEOの福原秀己氏と雑誌部門統括の帆足由美氏の2人、TOKYOPOPからはCEOのスチュアート・リヴィ氏と発行人のマイク・キリイ氏がリストに挙げられている。 さらにこの2大出版社に加えて、デルレイマンガ、ダークホース、デジタルマンガのそれぞれの経営トップが名前を連ねている。米国のマンガ出版ビジネスは、出版社主導と考えて良さそうである。 しかし、見逃せないのはバーンズ&ノーブルとボーダーという米国2大書籍販売チェーン2社のグラフイックノベル買付け担当者の名前も挙げられていることである。一方で、ダイヤモンドコミックディストリビューションや大手コミック専門店には言及されていない。 米国におけるマンガ流通での一般書店の影響力の強さが、ICV2の調査からもうかがい知ること出来そうだ。 また、クリエーターとして唯一名前が挙がったのは『NARUTO』の作者岸本斉史氏である。『NARUTO』の単行本の米国での圧倒的な売上げを考ええればそれも納得である。 7月に発表された「アニメ業界に影響力のある10人」に、クリエーターから唯一選ばれたのは宮崎駿氏であった。これを考えると岸本氏の米国でのマンガ業界での存在感は、アニメ業界の宮崎監督並みともいえるかもしれない。 また、10人のうち日本人はこの岸本氏のほかVizメディアのエグゼクティブの2人、さらにそれに独立系マンガ出版社デジタルマンガのCEO笹原光氏の4人である。/ICV2/米国のマンガ業界で最も影響力のある10人 /米国アニメ業界の最も影響力のある10人
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