8月30日から世界3大映画祭のひとつヴェネチア国際映画祭が始まる。今回の映画祭では、コンペティション部門に日本から2作品が出品され注目を浴びている。 うち1作品は、今敏監督の『パプリカ』である。今敏氏はこれまで国際アニメーション映画祭やファンタジー映画祭の出品が多く、ファンタジア映画祭最優秀アニメーション映画賞芸術的革新賞 やシッチェス・カタロニア映画祭最優秀アジア映画作品賞 、ベルギー国際アニメーションフェスティバルプリベTV映画賞などの受賞経験がある。アニメーションやファンタジー映画の世界では国際的に高い評価を受けている。 しかし、ヴェネチア映画祭のような大規模な映画祭へのコンペティション部門の参加は初めてになる。実写映画も含めた世界の巨匠のなかでどのように今監督が評価されるか関心を集めそうだ。 また、コンペティション部門では、日本アニメ映画の巨匠でもある大友克洋氏の『蟲師』も注目である。今回は実写映画の出品であるが、 大友監督はマンガ家でもありアニメ作品の監督も数多くアニメ・マンガ文化とつながりが深い。また、作品自体も、人気マンガを原作に取るなどアニメ・マンガ文化と関わりが深い。 コンペティション部門以外の公式作品では、日本からのアニメ作品では今年の夏の大ヒットした『ゲド戦記』が上映される。さらに、アニメーションならぬ独自のライブメーションを掲げる押井守監督の『立喰師列伝』など日本のアニメーションが目立っている。 今年のヴェネチア映画祭はコンペティション外の作品も合わせると日本からは6作品の出品となる。そのなかのうち3作品がアニメーション作品、さらに1作品はアニメとつながりの深い大友克洋監督の作品である。 日本の映画シーンにおけるアニメーションの存在の大きさをあらためて認識させる今回の映画祭だといえるだろう。 『パプリカ』は9月2日に、『蟲師』は9月7日に現地で上映される。他のコンペティション作品と伴に金獅子賞などを争うことになる。 今年の有力作品には、今回のオープニング作品にも選ばれたデ・パルマ監督の『ブラック・ダリア』や台湾のツァイ・ミンリャン監督の『黒眼圏』などが下馬評であがっている。/第63回ヴェネチア国際映画祭
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