『装甲騎兵ボトムズ』や『モリゾーとキッコロ』など知られる高橋良輔監督の新作オリジナルアニメがテレビ放映やDVD販売に先駆けて6月からインターネット配信される。 配信されるのは『FLAG』と題された作品で、アジアの小国での内戦を舞台にドキュメンタリー的な表現を用いて表現する。戦争がテーマになっていることから、高橋良輔監督の『ボトムズ』や『ガサラキ』の延長線上にあるようだ。原作・総監督を高橋良輔監督が務めるほか、監督に寺田和夫氏、シリーズ構成・脚本に野崎徹氏、メカニックデザインに宮武一貴氏が参加する。 また、アニメ制作を2004年に閉鎖されたディズニー東京スタジオを引継いだアンサー・スタジオが行なうのも注目である。ハリウッドクオリティーの高い表現力や技術力が、日本のベテランのアニメ制作陣と結びつく。 作品は30分シリーズの全13話、それに完全無料で提供される特別制作の第0話から構成される。この第0話が5月から放映されたあとに、6月から2週間に1話ずつ525円でバンダイチャンネルとAIIで配信される。 今回の先行配信は、アニメーション製作会社アニメプレックスとバンダイチャンネル、AIIの協力によって実現した。これまで、オリジナルの長編アニメシリーズをインターネットで先行配信したのは、昨年12月の『リーンの翼』(富野由悠季監督)がある。今回の『FLAG』はそれに次ぐ2作品目になる。 『リーンの翼』はバンダイチャンネルで配信されていたが、AIIが先行配信を行なうのは『FLAG』が初めてになる。 ここ1、2年でアニメ制作の本数が急激に増えているが、地上波放映は深夜を含めても放映枠は限られている。そのため近年は、作品の放映がケーブル局、衛星局、地方局に広がりっている。しかし、これらの媒体は視聴出来る層が限られているという問題がある。 現時点ではインターネットで先行配信することに大きな話題性があり宣伝効果も高い。また、たとえ有料でもあっても、多くの人が利用可能な点でインターネットを使った作品配信は、今後も魅力があるだろう。こうしたインターネット配信主導の番組制作は、今後も増えることはあっても減ることはなさそうだ。/FLAG公式サイト /バンダイチャンネル /AII /アニプレックス
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