80年代に制作された『シリウスの伝説』、『ユニコ』などの優れた長編劇場アニメで知られるサンリオアニメが低価格版のDVDとして発売されることになった。サンリオは1975年以来、劇場版31作品と120本を越えるOVAやテレビ作品を製作して来た。これらの作品はほとんどがアニメーション作品で、豊富な資金と時間をかけて作られた劇場アニメ作品は今でも国内外に根強いファンを持っている。 サンリオはこれまでこうした長編作品を4935円(税込)で売ってきた。今回これらの作品のうち、代表作ともいえる『シリウスの伝説』、『妖精フローレンス』、『ユニコ』、『ユニコ 魔法の島へ』、『くるみ割り人形』、『キタキツネ物語』の6作品の定価を一気に1575円に引き下げる。発売日は10月17日を予定している。 さらに『ハローキティ』や『けろけろけろっぴ』を主人公とした一時間もののOVAシリーズをそれぞれ1050円というお手頃な価格で11月14日から発売する。 低価格化が進むDVD販売では、洋画などの名作アニメーションを2000円以下の値段で売ることは、これまでも珍しくなかった。しかし、一般的にマニア向けとみなされることの多い国産のアニメ作品をここまで値下げをして売ることは珍しい。国産アニメは、高価格で限定した市場に売ることを目的にすることが多いからだ。 今回のサンリオの決定は、自社の作品が大衆向けで低価格化することで価格引下げ分を上回る販売数量の伸びを期待しているといえる。また、販売数量を増やすことで、ハローキティなどの自社キャラクターの認知度向上にもつながるだろう。 サンリオは経営建て直しのため1991年を最後に、アニメ制作より撤退している。しかし、今年5月には2007年公開を目標に劇場アニメの制作を再開すると発表している。サンリオアニメブランドの認知度向上も今回の価格戦略にありそうだ。 こうした旧作の再販は、アニメ制作のための追加コストがかからないことから、この価格設定でも利益は充分とれるだろう。 旧作アニメの実質的な値下げは、虫プロダクションの手塚作品のDVD販売にも見られる動きである。コロンビアミュージックでは、『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』の廉価版DVDボックスを9月21日に発売している。価格は、『ジャングル大帝』の全巻BOX19,950円、『どろろ』の全巻BOX9,975円など従来の半分以下の定価になっている。 これまでDVDの値下げ圧力に強いとされてきたアニメDVDだが、今後は、旧作で大衆的な人気作品を中心に販売価格の値下げが増えるかもしれない。/サンリオ /手塚プロ
「映画コナン」静野孔文×「エヴァ」貞本義行の長編アニメ「アズワン/AS ONE」25年夏公開! アーケードゲームが原作 2025.3.4 Tue 8:00 『名探偵コナン から紅の恋歌』など『名探偵コナン』シリーズの…