2005年度第36回星雲賞の候補作品が日本SFファン連合会公式ページと第44回日本SF大会HAMACON2の公式サイト上で公開されている。星雲賞は、毎年日本SF大会にて9つに分かれたそれぞれの部門で前年に発表された作品の中から選ばれる日本SF界の中で最もメジャーな賞のひとつである。 選考は日本SF大会参加者の投票により行れ、ファンは事前に選ばれた候補作品などの中から各1作品を選び投票をする。ファンによる今年の投票は、日本SF大会の連絡誌『プログレスレポート2号』に同封される投票用はがきのほか、ウェッブサイト上からも投票可能になる予定である。 該当9部門のうちアニメに関係あるのは、映画、演劇、テレビ作品などを含むメディア部門で、これまでも『カウボーイビバップ』(2000年)、『となりのトトロ』(1989年)、『トップを狙え!』(1990年)などが受賞している。今回はメディア部門に7作品が候補作としてあがっているが、7作品のうち『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』を除く6作品がアニメ作品というアニメ優位の状況になっている。候補作品以外の作品に投票することは可能だが、受賞作は候補作品の中から選ばれる可能性が高くアニメ作品の受賞が濃厚である。 しかし、今年は人気、評価とも高い作品が並んでおり、実際にどの作品が受賞するかは想像するのは難しそうだ。昨年2004年度の星雲賞メディア部門は、『オーバーマンキングゲイナー』、『ラーゼフォン多元変奏曲』、『宇宙のステルヴィア』などのアニメ作品もノミネートされたが、受賞作はピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』だった。また、昨年のコミック部門はひかわきょうこ氏の『彼方から』であった。本年のメディア部門候補作品は以下の通りである。『雲のむこう、約束の場所』 新海誠監督『鉄人28号』 今川泰宏監督『プラネテス』 谷口悟朗監督『イノセンス』 押井守監督『鋼の錬金術師』 水島精二監督『ロード・オブ・ザ・リング』 ピーター・ジャクソン監督『ASTRO BOY 鉄腕アトム』 小中和哉監督また、コミック部門からは以下の7作品が候補にあがっている。『ブレーメンII』 川原泉 『ジョーカー・シリーズ』 道原かつみ、『ムーン・ロスト』 星野之宣 『絶対可憐チルドレン』 椎名高志、『凹村戦争(おうそんせんそう)』 西島大介 『砲神エグザクソン』 園田健一『愛人 -AI・REN-』 田中ユタカ さらに、自由部門とノンフィクション部門で国際交流基金による『ヴェネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展』とそのカタログがノミネートされているのが目を惹いた。今回の選考結果は、第44回日本SF大会の最終日(7月17日)に発表される予定である。/第44回日本SF大会 HAMACON /日本SFファングループ連合会議
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