アヌシー国際アニメーションフィスティバルは、世界で最も歴史が長く、また規模の大きなアニメーションフィスティバルとして知られている。毎年6月にフランスのアヌシーで開催され、見本市やコンファレンス、ワークショップなどから構成される。なかでも、各国から集められたアニメーション作品のコンペティションは毎年大きな注目を集めている。 そのコンペティションに公式出品される作品リストが公式サイトで公開されている。出品作品は、短編アニメーションの42作品や卒業制作59作品を筆頭に11部門221作品にも及ぶが日本からの出品は多くない。短編アニメーション分野で『頭山』でアカデミー賞ノミネートの経験がある山村浩二氏の『年をとった鰐』や広告部門でNHKの出品する『どうも君』などわずか5作品(合作含む)に過ぎず存在感は小さい。 フランスというお国柄か見本市を行っても、コンペティションは商業作品と言うより芸術作品がほとんどを占めるという事情もあるだろう。また、アヌシー自体が日本から遠く、日本国内での知名度も高くないといった事情もあるかもしれない。 そうであっても、日本アニメーションの存在感の薄さは日本アニメーションが時として商業作品に傾き過ぎてしまうことを示しているのではないだろうか。商業アニメの発展も、アヌシーに出品されるような作品の基盤のうえに成り立っている部分もある。行政によるアニメビジネスの振興も重要であるが、同時に文化としてのアニメーションの育成も国家として必要としているはずだ。 これは、経済産業省でなく文化庁の領域になるのだろうか。文化庁は伝統的な文化に予算を投じる傾向が強く、新しい文化の育成予算はあまり大きくない。ビジネスにならないと判っている分野だからこそ、より積極的な行政による支援が必要とされている。/アヌシー2005 /Yamamura Animation page
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