スチームボーイを振り返る
『スチームボーイ』の劇場公開が9月3日で終わった。製作8年、総制作費24億円をかけた大作アニメだったが、世間的な評価は、まさに賛否両論であった。良質なエンターテイメントと評価する人がいる一方で、ありきたりで面白くないとの評価も多数見られた。特に、ヘビー
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これは最終的な興行成績が、期待していた水準ほどではなかったことをうまく説明している。『スチームボーイ』の宣伝は非常に大きなものだったが、それでも比較的高年齢のマニア層を狙っていたように思える。
しかし、マニア層は『AKIRA』のようなサイバー感覚や今までに観たことのない驚きを期待していたと思いうのだが、実際の作品はよく出来た健全なエンターテイメントであった。これに失望した人が多いのでないだろうか。
つまり、マーケティングとして狙った層から一番厳しい評価を受けたことになる。『スチームボーイ』を面白いと思うのは、ジブリ映画やハリーポッターやロードオブザリングといったハリウッドの大作映画を面白いと感じる層だったのでないだろうか。不幸なことに、作品はこの層にほとんど達することなく終わった。
それは、大友克洋監督作品!SF大作!といったジャパニメーションのイメージが強く成り過ぎたからかもしれない。
僕自身は『スチームボーイ』を非常に楽しだ。2時間を越える上映時間は若干長かったが、時間を持て余すことはなかった。噂に違わない素晴らしい画像に、よく練られたストーリーはさすがだったし、個人的にイギリスが大好きなこともあり、驚くほど忠実に再現された19世紀のイギリスの風景にはかなりのもであった。
おそらく、今、制作者が『AKIRA』のようなサイバーSFの作品を提示しても、80年代の『AKIRA』の衝撃を越えることは不可能であろう。SF表現や過激な演出表現はあまりにも一般化していりからだ。だから、大友監督が敢えて誰でも楽しめるエンターテイメントを制作したことを積極的に評価したい。
/スチームボーイ公式サイト
/スチームボーイ公式ブログサイト
/AKIRA公式サイト