スタジオジブリによるアニメ映画『猫の恩返し』が、日本テレビ系列の映画番組「金曜ロードショー」にて5月3日に放送されることがわかった。ジブリパークの全5エリア開園、『君たちはどう生きるか』のアカデミー賞の受賞、舞台『千と千尋の神隠し』のロンドン公演とジブリの様々なニュースが舞い込む今年、GWはジブリの“猫の国”へと出かけてみたい。
『猫の恩返し』は『耳をすませば』の原作者でもある、柊あおいによるマンガ『バロン～猫の男爵』を原作とするアニメ映画だ。『耳をすませば』の主人公・月島雫が描いた物語という発想の作品で、猫男爵の人形・バロンや、怪しいブタネコ・ムーンのような猫が登場する。
ごく普通の女の子である17歳の高校生ハル（声：池脇千鶴）は、下校の途中でトラックに轢かれそうになった猫を助けたところ、立ち上がったその猫に人間の言葉でお礼を伝えられる。猫は“猫の国”のルーン王子（声：山田孝之）で、こうして父の猫王による恩返しが始まった。ハルのもとには、ネコジャラシやネズミなどのありがた迷惑な贈りものが届く。挙げ句の果てに、ハルを妃に迎えるため、“猫の国”に招待するという。
困っているハルのもとに不思議な声が響き、さらにブタネコ・ムタに導かれるように、ハルは「猫の事務所」にやってきた。そこにいた猫の男爵バロンはハルの相談に乗り、力になることを約束する。しかし、そこに猫の大群が乱入し、ハルは“猫の国”へ連れ去らわれてしまう。はたしてハルは、無事に元の世界に帰ることができるのだろうか。
原作の『バロン～猫の男爵』は、宮崎（崎はたつさき）駿監督からの依頼で柊あおいがストーリーを考え、描き下ろしマンガにしたもの。『耳をすませば』に登場したバロンとムタ（ムーン）、地球屋を使ってアニメの原作を描いてほしい、という依頼だったそうだ。柊は物語を考え始めたとき、バロンとムタが活躍する以上、自分が普段描いている少女マンガではなくファンタジーとして展開させていくことを考えたという。
ファンタジーを描くとなると、見る人が物語にスッと入り込めるように、感情移入して一緒に物語の世界に入っていける人物が必要になる。そう感じた柊が考え出したのが、どこにでもいる普通の17歳の女子高生ハルというキャラクターだった。そして猫男爵バロンを登場させるとことで、『耳をすませば』の月島雫が成長して書いた物語ということにしたそうだ。原作コミックを出版する際は、“文／月島雫・絵／柊あおい”という記載にしたくなった、という話もあるようだ。
なお5月3日のオンエア後半では、「ジブリ作品の様々な生きもの」の大特集も行われる。ジブリ作品といえば、本作で活躍するバロンやムタをはじめ、『魔女の宅急便』のジジや『となりのトトロ』のネコバスなど、不思議なちからを持つ猫が登場することでお馴染みだ。さらに猫以外にも、『もののけ姫』のヤックルやヤマイヌ、『ハウルの動く城』のヒンなど、様々な生きものたちが登場する。その魅力を大特集するとのことで、こちらもお見逃しなく。
スタジオジブリによるアニメ映画『猫の恩返し』は、日本テレビ系列の映画番組「金曜ロードショー」にて5月3日に放送される。
【放送日時・作品情報】
5月3日（金）よる9時00分～10時54分 ※本編ノーカット放送
『猫の恩返し』（2002）
◆監督：森田宏幸 企画：宮崎（崎はたつさき）駿
◆声の出演：池脇千鶴、袴田吉彦、前田亜季、山田孝之、佐藤仁美、渡辺哲、斎藤洋介、岡江久美子、丹波哲郎ほか
【今後の放送ラインナップ】
◆今夜9時 劇場版『名探偵コナン 紺青の拳（フィスト）』
◆4月19日よる9時 劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影（サブマリン）』
※本編ノーカット・初放送
◆4月26日よる9時『シンデレラ』
◆5月3日よる9時『猫の恩返し』※本編ノーカット
（C）2002 Aoi Hiiragi/Reiko Yoshida/Studio Ghibli, NDHMT
