HALO(ヘイロー)
発売日:2002年4月25日
機種:Xbox
発売元:マイクロソフト
2002年の大きな話題のひとつにマイクロソフト社の新ハード「Xbox」の日本発売があります。ハードディスクを標準装備し、ネットワークへの接続機能として100MBpsのイーサネットポートを搭載するなど、当時としてはかなりの高スペックで、前年に発売された北米ではいち早く100万台を突破。最終的に全世界で約2400万台の売上を記録しましたが、日本ではまだまだ海外ゲームへの認知度が低かったこともあり、出荷台数54万台と惨敗に終わりました。
それでも、いくつかのタイトルはゲームファンの注目を集めました。そのひとつがFPSの傑作として名高い『HALO』です。スパルタン部隊の兵士・マスターチーフとなって、謎の環状惑星ヘイローを舞台に激戦を繰り広げる3Dシューティングで、現在では『Halo:Combat Evolved』のタイトルで知られています。北米ではXboxのローンチタイトルとして2001年11月15日に発売され、世界累計600万本の売上を達成するなど爆発的ヒットを記録。残念ながら日本ではさほどヒットしませんでしたが、かなりハマったというコアゲーマーは少なくありませんでした。
本作がこれだけ受けた最大の要因は、やはりゲームパッドでの快適な操作が実現されていたことに尽きるでしょう。今ではすっかり当たり前になりましたが、左スティックで移動、右スティックで視点操作というシステムは非常に斬新で、その爽快感はそれまでのゲームにはないものでした。日本でFPSというジャンルが普及するきっかけのひとつになったと言えるでしょう。現在プレイするなら、本作から『Halo 4』までを収録した『Halo: The Master Chief Collection』がおすすめです。
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ひぐらしのなく頃に
発売日:2002年
機種:PC
発売元:07th Expansion
竜騎士07氏が主催する同人サークル「07th Expansion」が手がけたことで知られるミステリーテイストのサウンドノベルで、「雛見沢村」と呼ばれる寒村を舞台に巻き起こる、陰惨かつ不可解な事件が描かれていきます。今やすっかりアニメやゲームなどでおなじみの本作ですが、当初はコミックマーケットで頒布された同人ゲームで、2002年夏のコミケで第1弾となる『鬼隔し編』、同年冬に第2弾の『綿流し編』が発表されました。
オリジナル版は選択肢がない完全な一本道で、特に出題編となっている『鬼隔し編』、『綿流し編』はストーリーが本格的に動き出すまでひたすらほのぼのとした展開が続くなど、正直やや冗長な感は否めません。しかし、物語は少しずつ不気味な様相を呈していき、やがて急展開を見せます。この緩急の大きさは凄まじく、衝撃の結末も含めて多くのプレイヤーが度肝を抜かれました。
以降も連作型式で新たなエピソードが公開されていき、人気はさらに拡大。2006年にはアニメ化もされるなど一大ブームとなったのはご存知のとおりです。現在でもその人気は高く、新シナリオを追加した『ひぐらしのなく頃に奉』(エンターグラム)がニンテンドースイッチ、プレイステーション4で発売中です。
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2002年に発売された、その他のゲームも振り返っておきましょう。最大のヒットとなったのはゲームボーイアドバンス向けに発売された『ポケットモンスター ルビー・サファイア』(任天堂)で国内累計出荷本数540万本というすさまじい記録を達成。ゲームボーイアドバンスでは弁護士・成歩堂龍一となって無罪を勝ち取るべく戦う法廷アドベンチャー『逆転裁判2』(カプコン)などもスマッシュヒットとなりました。
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プレイステーション2では、故松田優作さんを主役モデルに起用した剣術アクション『鬼武者2』がミリオンヒットを記録。サッカークラブ経営シミュレーション『サカつく2002 J.LEAGUEプロサッカーチームをつくろう』(セガ:現セガゲームス)、地震で崩壊した都市からの脱出を目指す異色のサバイバルアクション『絶体絶命都市』(アイレム)、アーケードで人気の『太鼓の達人』を初めて家庭用ゲームに移植した『太鼓の達人 タタコンでドドンがドン』(ナムコ:現バンダイナムコ)なども人気となりました。
ゲームキューブでは『スーパーマリオサンシャイン』、『ゼルダの伝説 風のタクト』(いずれも任天堂)などがヒット。Xboxでは2本のレバーやフットペダルなどで構成された大掛かりな専用コントローラーを使って巨大ロボットを操作する『鉄騎』(カプコン)が話題を集めました。
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また、この年ADSLの普及が急速に進み、プレイステーション2用ブロードバンドネットワークサービス「PlayStation BB」が本格スタート。5月16日に『FF』シリーズ初のMMORPG『ファイナルファンタジーXI』(スクウェア)が発売されました。さらに、韓国のグラビティが制作したPC向けMMORPG『ラグナロクオンライン』(ガンホー)が12月1日より日本で運営開始。近未来のバーチャルMMORPGを題材にした『.hack//シリーズ』(バンダイ:現バンダイナムコ)も人気になるなどオンラインゲームがより身近になった1年でした。
■その他の主な出来事
3月9日 スクウェアが任天堂ハードへのソフト供給を決定
4月25日 東京・大阪高裁で中古ソフト販売に合法判決が出る
5月31日 任天堂の新社長に岩田聡氏が就任
6月 CERO発足、レーティング制度が本格スタート
7月12日 バンダイの携帯ゲーム機「スワンクリスタル」発売
10月10日 秋葉原にアソビットシティがオープン
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