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「もののけ姫」みたいに狼が人間を育てることはありえる? 日本オオカミ協会に聞いた【金ロー放送記念】

スタジオジブリ制作の長編アニメ映画『もののけ姫』が10月26日、「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で放送される。1997年に全国で上映された同作は、当時の日本映画の興行記録を塗り替える興行収入193億円を記録し、今なお根強い人気を誇っている。

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  • エゾオオカミ/画像提供:一般社団法人日本オオカミ協会
  • ニホンオオカミ/画像提供:一般社団法人日本オオカミ協会

■オオカミが人間を育てることはありえるのか?


ニホンオオカミの生態や絶滅の原因について知ったところで、本題である「現実にニホンオオカミは人間を育てるのか?」について聞いてみた。

『もののけ姫』に登場するサンは、幼少時にもののけに生け贄として差し出されるが、食べられることなくモロの君に育てられた。だが果たして、現実世界ではありえるのだろうか……。

結論から言うと、日本オオカミ協会によれば「オオカミが人の赤ん坊を育てるということは、時にインドなどで話にのぼることがあります。しかし、信憑性のあるデータではなく、実際にはありえないと考えています。いわゆる、お話や寓話などの世界でのことであると思います」とのこと。

理由としては、人間の子が必要とする乳の成分とオオカミの乳の成分は違うものであり、オオカミの授乳は2カ月程度。その後は親の吐き戻した肉を与えるため、人間の赤ん坊が2カ月程度の授乳期間で成長できることはないそうだ。

もちろん、モロの君はもののけなので、通常のニホンオオカミとは比べることはできない。
『もののけ姫』で描かれるサンとモロの君の関係は、ひょっとしたら人間ともののけが共に生きていたかもしれない、人と自然が近かった時代の象徴だ。そこには今の人間社会が失った輝きがある気がする。

参考文献:「オオカミの実像(オオカミってどんな動物?)」(一般社団法人日本オオカミ協会作成資料)
画像提供:一般社団法人日本オオカミ協会
《乃木章》
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