歌姫Lia「私がここにいるのは、運命だったんだ」 最新カバーアルバムから"鳥の詩"まで振り返る【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

歌姫Lia「私がここにいるのは、運命だったんだ」 最新カバーアルバムから"鳥の詩"まで振り返る【インタビュー】

『AIR』の主題歌「鳥の詩」で一躍有名となったアーティスト・Liaさん。約3年半ぶりに発表されたニューアルバムに対する思い入れや聴きどころ、レコーディングの裏話、さらにLiaの音楽デビューから現在へと続く軌跡まで、大いに語って頂きました。

インタビュー
歌姫Lia「私がここにいるのは、運命だったんだ」 最新カバーアルバムから
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大ヒットゲーム『AIR』の主題歌「鳥の詩」で一躍有名となり、透明感のある声質と圧倒的な歌唱力を持つアーティスト・Liaさん。約3年半ぶりに発表されたニューアルバム『REVIVES -Lia Sings beautiful anime songs-』は、古今のアニソンをLia独特のクリアなボイスでカバーした贅沢な一枚に仕上がっています。
今回は『REVIVES -Lia Sings beautiful anime songs-』の発売を記念して、Liaさんに単独インタビューを実施。初のカバーアルバムに対する思い入れや聴きどころ、レコーディングの裏話、さらにLiaの音楽デビューから現在へと続く軌跡まで、大いに語って頂きました。

[取材・編集=小野瀬太一朗/構成=かーずSP]

『REVIVES -Lia Sings beautiful anime songs-』ジャケット写真

■ファンからの要望で実現した、初のカバーアルバム企画

――なぜ今回、カバーアルバムという形で企画が立ち上がったのですか?

以前から「Liaのカバーが聴いてみたい」というファンの方の声をたくさん頂いていまして。
今までの活動ではアニメやゲームの主題歌に注力していたんですが、「そろそろそういう期待にも応えられる時期なんじゃないか」とプロデューサーから持ち掛けられ、カバーに挑戦することとなりました。

――本アルバムでは『化物語』『創聖のアクエリオン』といった2000年代アニソンの代表曲から、『ああっ女神さまっ』『機動戦士ガンダムF91』など通好みの名曲、さらには『もののけ姫』『ムーラン』と映画楽曲まで、幅広いアニメソング10曲が収録されています。今回Liaさんがカバーするにあたり、どのようにこれら10曲が選ばれたのでしょう?

私はディズニーの歌を聴いて育ったので、「ディズニーの曲は入れたい」という要望は伝えていました。最初は『美女と野獣』を挙げたんですが、プロデューサーからは「えー、それって普通」と言われちゃって(笑)。でもその代わりに、『ムーラン』の「リフレクション」を提案してもらいました。

――ディズニー楽曲をカバーしているアーティストは数多いですが、『ムーラン』は珍しいですね。

私は、アメリカのバークリー音楽大学で歌を学んでいたんです。なので、プロデューサーは『ムーラン』を通して、私にカッコいい英語の曲を歌わせたかったんじゃないかなって思います。
でも、劇中で「リフレクション」を熱唱している主演のレア・サロンガさんは、大好きな『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」も歌ってらっしゃる方なので、「自分としても是非!」とお受けしました。

■「ETERNAL WIND」は、ずっと心の片隅にあった曲

――Liaさんご自身でカバーを希望して、実際にアルバムに収録されたのはどのタイトルでしょう?

ジブリの世界観がすごく好きなので「絶対に一曲はジブリを入れてください!」ってお願いしました。
ただ、私はもともと歌のルーツにクラシックがあるので、「もののけ姫」をそのまま歌っても同じ雰囲気になってしまい、「それじゃつまらないよね」ということで、アレンジを色々変えて歌わせて頂きました。

――他には、ご自身で希望された曲はありますか?

『機動戦士ガンダムF91』の「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」も、とても思い入れがあって、私がリクエストしました。
この曲は以前、昔「ANIMAX MUSIX」で歌わせて頂いてのですが、その日来られなかったファンの方から「Liaさん、『ETERNAL WIND』歌ったそうですね、残念です、超聴きたかったです」という声がたくさん届いて。「いつか歌わせて頂ける機会があればな」って、ずっと心の片隅にあった曲なんです。

――その時悔しい思いをしたファンの方にも、ようやく届けられましたね。

それと『Angel Beats!』の「一番の宝物」は、いつもKeyさんのライブでkarutaさんやLiSAさんが歌っているのを聴きながら、いい曲だなってずっと思っていて。
今回、初めてこの曲を歌わせて頂き、ファンの方から「泣きました」というお声も頂いているんですが、私自身もレコーディングの際、歌詞にある「みんな」の部分をファンのみんなや、普段私を支えていてくれているみんなを想いながら歌ったので、泣きそうになってしまいました。

5月13日に渋谷タワーレコードで行われたリリース記念イベントの模様

■1st PLACEの若手社員たちがファン目線から選曲に参加

――他の曲は、どのような経緯で収録に至ったのですか?

『NARUTO -ナルト- 疾風伝』の「ブルーバード」はプロデューサーからの提案で……他には、事務所でアニメが好きなスタッフたちに「Liaはどんな曲を歌ったらいいと思う?」って意見を訊いてみたんです。
そうしたら、いつも静かな子たちが突然、生き生きと「だったらこれです!」「俺だったら絶対Liaさんにこれを歌って欲しい!」って主張しはじめて(笑)。あれよあれよと曲の候補を出してくれました。
そんなみんなが、私やプロデューサーには判断しきれないところを補ってくれたんです。

――といいますと?

例えば「女性歌手でアニソンをカバーするなら『残酷な天使のテーゼ』だよね」って言ったら、「Liaさんはそれを歌っちゃダメです!」と(笑)。「えーっ!? なんで?」みたいな。
私やプロデューサーだけで相談したら、「この曲はアニソンの定番だから」という理由でたぶん入れちゃっていたと思うんです。でも「Liaさんにはそっちじゃなくて、こっちを歌って欲しい!」というみんなの声を聞いて、ファンの求めるものを肌で感じられたことが良かったです。

――確かに、アニソンカバーアルバムというと『残酷な天使のテーゼ』など定番曲で固めそうなイメージですが、『あぁっ女神さまっ』の「OPEN YOUR MIND ~小さな羽根広げて~」などあまり選ばれそうにない曲も入っていて「なぜこのチョイス!?」と思っていました。たぶん選曲した人の中にオタクがいるなって(笑)。

はい(笑)。結局、王道のラインナップが並んでいても、ただのカラオケ大会みたいになっちゃうと思うんですよね。
「Liaが○○を歌ってみました」では面白くないと私も感じていて、みんなが“Liaに何を歌って欲しいのか”というところを大事にして、カバーする曲は気をつけて選びました。
例えば……「カゲロウプロジェクト」のじんくんが同じ事務所なんですけど、『カードキャプターさくら』の「プラチナ」は彼からの熱い要望があって、今回のカバーに至ったり。

■「魂のルフラン」では、ボーカロイド「IA」とのコラボが実現!

――今回様々なアニソンをカバーした中で、自身で感じた“新たな一面”のようなものはありましたか?

『化物語』の「君の知らない物語」はLiaの新しい一面が出ているんじゃないかと。
この曲は今回初めて聴かせて頂いたんです。私は今までロック調の曲を歌うことはそれほど多くはなかったのですが、この曲を知って「歌ってみたい」と思い、選ばせて頂きました。
普段の私とは違う感じが楽しめると思います。

あと、『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生』の「魂のルフラン」では、“IA”と初コラボしたんですよ!

――“IA”というと、Liaさんの声を基にしたボーカロイドですよね?

そうです!
私も最初知らされてなくて、レコーディングが終わった後に「魂のルフラン」を聴いていたら、収録した覚えていない私の声が入っていて。そこは、IAが使われた箇所だったんです。

私は基本的にコーラスもハモもすべて自分で担当しているので、収録パートが多くて少し大変なのですが、今後は「コーラスは良かったらIAを使ってね」って言ってしまおうかな(笑)。

5月13日に渋谷タワーレコードで行われたリリース記念イベントの模様

■オリジナルのイメージを崩さずに、別物にするのがカバーの難しさ

――実際にレコーディングしてみて、苦労した点はありますか?

私は子どもの頃からモノマネが得意な方で、原曲をたくさん聴いてしまうと、歌い方がつい似ちゃうんです。だからなるべく原曲を聴きすぎないよう気を付けました。
その曲が持っている世界観を大事にしつつ、そしてモノマネではなく“Lia”がこの曲をどう表現するか……そこはすごく悩んで。

「魂のルフラン」は、最初高橋洋子さんの原曲っぽく歌ったのですが、息遣いを意識して、ちょっと切ない歌い方に方向転換しました。元々のファンがいらっしゃる原曲のイメージを崩したくないんですが、別物にしなきゃいけない。その調整にはすごく苦労しましたね。

――原曲が有名だからこその難しさですね。

でも、そこは今回のアルバムで一番聴いて欲しい部分でもあります。
「この曲大好きで、何百回何千回聴いてます!」という、原曲に思い入れの強い人たちが聴いてくださることも多いので、そういう方たちに私の表現をいかに届けるか……というのは今回の挑戦でした。

■「一番の宝物」はシンプルに歌いあげる、Liaさんの得意ジャンル

――「一番の宝物」は他の9曲と違って、原曲に近いアレンジですよね。

もう崩しようがないくらい元の曲がストレートなので、いじりすぎて全然違う曲になってしまわないようにアレンジして頂いたんです。
「一番の宝物」のような、シンプルなメロディを聴かせるバラードはもともと私の得意ジャンルなので、楽しんで歌わせて頂きました。昔は苦手だったアップテンポやビートの効いた曲も今では歌うようになりましたが、でもバラードの「これぞLia!」というところを聞いて欲しいです。

――反対に難しかった曲はどれでしょう?

プロデューサーがチョイスした「創聖のアクエリオン」は難しかったですね。
音程が高くてビート感があって、そしてオリジナルであるAKINOさんのパンチ力ある歌声がすごいインパクトで。
普通に歌ってもAKINOちゃんを超えることは絶対に無理だから、「私はこの曲をどう歌えばいいのよ!」って悩みました。
でも、平出悟さんの作ってくださったこのアレンジがすっごくかっこよくて、しかも私の声と相性がバッチリなので、「これはいけるかもしれない!」と背中を押されました。おかげでいい感じに仕上がったと思っています。

■田中公平さんの無茶振りに緊張したレコーディング

――このアルバムではクラブミュージック調のものからボサノヴァまで、様々なアレンジがなされたカバー曲が収録されていますが、各楽曲のアレンジの方向性はどのように決められたのですか?

このアルバムのコンセプトとして「日本を代表するアニメソングを、日本最高峰の音楽家編曲家たちがアレンジをし、それをLiaが歌う」というものがあって。みなさんが思う“Liaに一番合うアレンジ”を作って頂きました。

例えば、「OPEN YOUR MIND ~小さな羽根広げて~」は田中公平さんにアレンジをお願いできたんですが……
田中さんは私がアメリカの音大でクラシックやジャズを勉強していたのをご存知だったので、ジャズのセッションみたいに「この曲は生バンドを使って、その場で“せーの”で合わせて録りましょう」と提案してくださり、もう「えーっ!?」焦りましたよ(笑)。

――スタジオで生バンドと合わせて一発録りということですか?

はい。当日大きいスタジオに入ったら、第一線で活躍されている大物ミュージシャン達が集まっていて、もうすっごく緊張しました!
その中でピアニストは、同じ音大に通っていた方だったので、「お久しぶりです」ってご挨拶して、ようやくちょっと和みました。

――アニソンの現場で思わぬ再会があったんですね。

本当にとんでもないメンバーが集まっていて、「田中先生ー!」って(笑)。
でも音楽って本来、こういう形なんですよね。バークリー音楽大学はもともと々ジャズの学校なので、即興も多かったんです。。久しぶりに当時の緊張感を味わった気分でした。
大学での経験を活し、今回、生の楽器の人たちと一緒に録音できて嬉しかったです。

5月13日に渋谷タワーレコードで行われたリリース記念イベントの模様

■代打で引き受けた「鳥の詩」が歌手活動のターニングポイント

――もともとアメリカで音楽を学んでいたLiaさんですが、ご自身の歌手活動で、一番のターニングポイントになったきっかけを教えてください。

やっぱり「鳥の詩」を録った時ですね。もう18、9年くらい前でしょうか。
当時、アメリカ在住の私が利用していたロサンゼルスのスタジオに、Keyさんから一本のメールが届いたんです。「社員旅行でアメリカに行く際に、ロスのスタジオで歌録りをしたい」って。スタジオのスタッフに日本語がわかる人がいなかったので、私がそのやり取りの橋渡しをしたんです。

でも、本来ボーカルを担当するはずだった方が来れなくなり、「あなた歌やってるって言ってましたよね?」とI'veの高瀬一矢さんから連絡を受けて、私が代わりに、アルバイト的な感覚で歌わせてくれることになりました。
その流れでレコーディングしたのが『AIR』で使われた「鳥の詩」「Farewell song」「青空」の3曲です。

――あの名曲「鳥の詩」が、まさか社員旅行中の代打レコーディングで生まれたとは……。

「本当に奇跡的な出会いの偶然なんです」って色んなところで言い続けてますが、今となってはもう必然的な運命だったと感じています。じゃないと今、私はここに座ってないですからね。

――当時のレコーディングの様子はいかがでしたか?

Keyさんとスタジオエンジニアさんとの間に入る通訳がほんっとうに大変でした!
「ストップしてください」「はじめます」って通訳して、私が歌って、「今のは残してください」「次のトラックにいきます」とか、全部私が間に入ってやり取りしていたんですよ。

───歌うことに専念できない状況だったんですね。

私としては、初めての人たちと仕事するわ、日本語と英語の通訳をやらなきゃいけないわ、歌わなきゃいけないわ、みんなに気を使わなきゃいけないわ……で。
途中で息が詰まっちゃって、スタジオの中庭に逃げ込んで一人でぶわーっと泣いてしまいました。

たぶん疲れ切って緊張のピークだったんでしょうね。「大丈夫?ごめんね、ごめんね」って高瀬さんに肩を撫でられて、「すいません」って謝りながら涙を流してました。
そんな辛い思いをして歌った曲が、大勢の方に“神曲”と言っていただいて。苦労した甲斐がありました(笑)。

――ネットでは“国歌”と呼ばれるくらい親しまれている名曲ですもんね。

本当に「鳥の詩」は一人歩きというか、気づいたら大勢のファンの方たちに愛されていてびっくりしました。

収録からしばらく経ち、日本に帰国して「どうやったら音楽活動して生きていけるのかな」ってぼんやり考えてた時期に、Keyの麻枝准さんから「夏影」「nostalgia」のレコーディングのお話をもらったんです。
私は「またアルバイトのお仕事もらえた!」くらいの気持ちでKey本社に行ったら、「Liaさん、ファンの方たちにプレゼントしたいのでサイン書いてください」と言われて。

「え、何で私のサインなんか欲しいの?ファンなんているの?」って、もうびっくりでした(笑)。でも、たくさんの方たちが聴いてくれて、親しみをもってくれていることには本当に感謝しています。

■これからの目標は、ライブを増やして皆さんに生の歌を届けたい

――今後のアーティスト活動の展望はなんでしょうか?

意欲的にライブを増やしていきたいと思っています。私は、他のアーティストさんと比べてライブの本数が少なかったので、これからは出来る限りファンの皆さんに生の歌を届けたいと考えています。

――これまで立ったステージで印象深い思い出はありますか?

一昨年、初めて中国の上海でライブをしたんですけど、すごく印象的でした。中国は人が多いので、見渡す限りペンライトの海みたいで。
「歌ってー」って呼びかけるとみんなが歌ってくれて、「こんなに私の曲を知ってくれてる人がいるんだ」っていう感動は今でも忘れられません。

ライブって、ファンとのコミュニケーションが取れる唯一無二の場所だと思っていて、毎回すごく楽しませていただいてます。いつも私のほうがファンからサプライズをいただけて、本当に嬉しい限りです。

――国内と海外のライブで、お客さんの反応は違ったりするのでしょうか?

「鳥の詩」を歌うと、どの国でも同じような反応いただけるのでありがたいなって。いつどこで公演しても、同じ熱い思いを客席から感じます。

――アニソンは世界のどこであっても、“アニメ”というひとつの作品を通して、同じ記憶や想いを共有するから……という部分があるんでしょうか。

そうですね、やっぱりアニメの力が大きいと思います。
私は、「アニメは日本の文化」だと考えていますし、アニメが海外にもっと広まるために、私もその一つの力になれたらいいなって。海外のライブで、歌を通してアピールできれば……私は通訳(英語)がいらないので、国外のステージにもぜひ呼んでください(笑)。

――それでは最後にメッセージをお願いします。

『REVIVES -Lia Sings beautiful anime songs-』はカバーアルバムなので、ボサノヴァあり、ダンスミュージックあり、ロック調あり、自由にアレンジしています。一つに縛られず、自由に幅広い音楽を、幅広い年齢層のファンに楽しんで頂けたら嬉しいです。

そして、カバーアルバムもシリーズ化できたら嬉しいな、と思っています。
そのためにもより多くの方に『REVIVES』を聴いて頂きたいので、皆さんよろしくお願いします!
《小野瀬太一朗》
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