2017年は日本で国産アニメーションが公開されてから100年を迎える節目となる年だ。「アニメNEXT100」はこの100年目を契機に、次なる未来を見据えて日本のアニメーションのさらなる発展を目指すため、一般社団法人日本動画協会が立ち上げた文化プロジェクト。2017年3月26日(日)、「アニメNEXT100」が取り組むプロジェクトの発表と調査報告シンポジウム「アニメNEXT100 「日本のアニメ大全」」が、AnimeJapan 2017のセミナーステージで行われた。登壇者は、トムス・エンタテインメント特別顧問であり、「日本のアニメ大全」のプロジェクトリーダーを務める吉田力雄、樹想社代表取締役の大徳哲雄、明治学院大学非常勤講師の木村智哉、東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員のとちぎあきら、株式会社アーイメージ取締役の檜山大悟、株式会社トムス・エンタテインメント経営企画室広報部長の千島守の6名。まずは進行を務める吉田から簡単な挨拶と、「アニメNEXT100」プロジェクトの意義が語られたのち、「アニメNEXT100」が取り組むプロジェクトの一つ「アニメ大全」の活動内容と調査報告へ。「アニメ大全」は国産アニメーションの歴史の編纂と作品データベースの構築を目指したプロジェクト。調査担当者の大徳からはまず、「2017年は日本で国産アニメーションが作られてから100周年と言われているが、実は起点となる第一作目がどの作品なのか確定されていない」との問題提起が。これまでの研究では、風刺漫画家の下川凹天が制作した『芋川椋三玄関番の巻』が起源であると考えられてきた。ところが、本プロジェクトが当時の映画雑誌と新聞等を徹底的に調査したところ、それより以前に『凸坊新画帖、芋助猪狩の巻』が、1917年の1月に浅草のキネマ倶楽部にて封切りされていることを突き止めたという。その後は、東京国立近代美術館フィルムセンターが2017年2月22日に公開した、64作品もの初期アニメーションが無料視聴できるウェブサイト「日本のアニメーション映画クラシックス」の紹介、アニメーションデータベースの進捗報告とつづく。吉田からは、アニメの歴史と文化をデータベース化することによって継承することの重要性と現代的な意義が述べられた。またクリエイターの証言を記録するプロジェクト「オーラルヒストリー」の紹介では、『巨人の星』の作者・川崎のぼるからの肉声コメントの上映も。最後に、「アニメNEXT100」の今後のビジョンが吉田の口から語られ、プロジェクトの確かな前進を感じさせながらシンポジウムは幕を閉じた。「アニメNEXT100」公式サイトhttp://anime100.jp/ AnimeJapan 2017ビジネスエリア:2017年3月23日(木)~3月24日(金)メインエリア:2016年3月25日(土)~3月26日(日)会場:東京ビッグサイト
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