おたくの好きなモノは何でもある。それがサンディエゴ・コミコンだ!「サンディエゴコミコンレポート2016」-後編- | アニメ!アニメ!

おたくの好きなモノは何でもある。それがサンディエゴ・コミコンだ!「サンディエゴコミコンレポート2016」-後編-

イベント・レポート

堺三保(さかいみつやす)
63年大阪生まれ。作家/脚本家/翻訳家/評論家=よろず文筆業。評論・翻訳は、英米の娯楽小説、映画、テレビドラマ、コミックスが専門。テレビアニメのSF設定や脚本の仕事も。2007~10年、南カリフォルニア大学映画芸術学部に留学。卒業後は従来の仕事に加え、映画を撮りたくて悪戦苦闘中。

【おたくの好きなモノは何でもある。それがサンディエゴ・コミコンだ!】
今回も、前編に引き続いて、サンディエゴ・コミコン(SDCC)の様子を紹介していきたい。前回は主に最近の主流である映画関係企画についてや、会場の外の様子についてお話したので、今回はコンベンションの本丸とも言える展示場内の様子を紹介していきたい。

■野球場2つ分はある広大な展示場。そしてさらに……
さて、前回お話した映画プレゼン用の6000人収容施設「ホールH」は、SDCCのメイン会場であるサンディエゴ・コンベンション・センターの東端に位置している。このセンターの1階部分は西側からAからHまで8つのホールによって構成されていて、ホールHはその一つにすぎないのだ。そして、残るAからGまで7ホールは、SDCCの開催期間中、すべてホール間の仕切りを取っ払い、超広大な展示会場として使用される。その全長はセンターそばに建つ野球場「ペトコパーク」2個分を優に超えると言えば、広さを実感していただけるだろうか。
この広大な展示場を所狭しと様々なブースが埋め尽くし、圧倒的な壮観を作り上げる。それこそがSDCCの醍醐味なのだ。
コミックス出版社やコミックス専門書店といった、元々の主目的であるアメコミ関係会社のブースはもちろん、近年ではオモチャ会社やゲーム会社から映画会社やテレビ局といった大小様々な会社が出展している。その中には、全米でも有数の大企業から、数人で経営している小さな会社まであるのだ。
これらのブースは、自社作品の宣伝をするだけでなく、本やオモチャ、ゲームソフト、DVDやブルーレイなどを売っているところも多く、コンベンション開催期間中、SDCC参加者はまさに毎日買い物天国に浸っていられる。ここでしか手に入らない限定品も多いところがミソ。
さらには、アメコミの絵を描いているアーティストたちが個人でブースを出して、自分の絵や本にサインを入れて売っているエリアまである。
ここでは、ファンは自分のお気に入りのアーティストと直接話をして、その人のサイン入りの絵を購入することができるようになっているのだ。
近年は特に、毎年新しい「スケッチブック」と呼ばれるミニ画集(要は日本で言うところの同人誌)を自分で製作・販売している有名アーティストも増えていて、それを集めてまわるだけでも実に楽しい。
まさにSDCCは、コミックファンにとっての夢の場所だと言ってもいいだろう。

■あくまでもファンイベントである証としてのおもしろ企画
ファンの夢の場所といえば、前回書いたように多くのハリウッドスターや各種メディアが訪れるようになってはきたものの、SDCCは元々ファン主催のイベントであり、その精神は今も変わっていない。
コンベンション・センターの2階、そしてセンターの左右に建っている巨大な2軒のホテルには、大小さまざまな会議室があり、その中ではいろんな分科会が開かれている。その多くは、ホールHで行われるのと同様、企業(ただしほとんどは映画会社ではなく出版社やテレビ局など)による新作のプレゼンが行われたりしているが、それ以外にもいかにもファンのためのイベントが進行している。
コミック業界関係者の投票によってその年の最高のコミックやそのアーティストを決める「アイズナー賞」の授賞式や、この手のファンイベントの華である「マスカレード(コスプレ)大会」といった大きなイベントはもちろん、映画祭を開催している部屋、ずっと日本のアニメを流し続けている部屋、ずっと紙ゲー(ボードゲーム、TRPG、カードゲームなど)をしている部屋、さらには、中世西洋風の鎧に身を包み、刃をつぶした軒や槍等で戦う西洋チャンバラのトーナメントまで開かれていたりと、まさにその内容は種々雑多。
そして、SDCCの参加者たちは、それぞれの主なる趣味に合わせて、思い思いの場所で自由にコンベンションを楽しんでいる。これこそ、SDCCが今もなお、ファンによるファンのためのイベントとして成立している証だろう。

■一度は行ってみたい、全米おたくの祭典
ここまで2回にわたって、SDCCがどんなイベントか紹介してきたが、雰囲気だけでも伝わっただろうか?
年に一度、7月第3週の4日間にわたって開かれるSDCCは、アメリカにおけるオタク的文化の総合見本市であり、アメリカン・おたくの憧れの祭典だ。この10数年で、日本のマンガやアニメ、ゲーム、フィギュアといったものも、数多く出品され、広く認知されるようにもなっている。
驚くべき事には、日本からいろんな苦労を乗り越えてこのSDCCに参加しているファンの人たちも年々増えているのである。
チケットの入手、宿の手配、英語の壁など、面倒なことは山積みだが、それを乗り越えてやってきた日本人ファンは皆、ツイッターなどでその喜びをつぶやいていた。
近い将来、SDCCの日本での知名度は今よりももっともっと上がっていくのかもしれない。

[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]
《堺三保》
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