そうしたなかで大作オリジナル作品でも大きな勝負でる。『君の名は。』の新海誠監督は、その知名度に比べてこれまでの劇場公開は小規模だった。それをいっきに広げる。監督の作品と知名度を押しあげる戦略だ。 8月公開の『ルドルフとイッパイアッテナ』も、そうした勝負作だ。国内でもトップクラスとされるCGスタジオのOLM Digital、Sprite Animation Studiosが手がけるフルCGのキャラクターアニメである。昨今、国内のCGアニメに観客の抵抗薄れてきたとされるなかで、2015年の『STAND BY ME ドラえもん』に続くヒットになるのかが注目される。 そして9月公開の『レッドタートル THE RED TURTLE』も話題作だ。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督による本作はフランスのアニメーション映画である。邦画を中心とする東宝が海外アニメーションを配給するのを極めて異例である。製作を同社と関係が深いスタジオジブリが手がけていることが理由と見られるが、どんなかたちで日本の観客に受け入れるのかも関心を呼びそうだ。