「痛Tシャツ」需要で業績を伸ばす 老舗のプリントTシャツメーカー“プリズマ” | アニメ!アニメ!

「痛Tシャツ」需要で業績を伸ばす 老舗のプリントTシャツメーカー“プリズマ”

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 「オタク文化」が徐々に世の中に認められつつある。スポーツカーや高級車のボディにアニメ画像を描いた“痛車”というのがあるが、“痛い”プロダクトは製品ジャンルを広げ、最近需要の伸びてきているアイテムが、“痛T”すなわち「アニメTシャツ」だ。

 Tシャツプリントメーカーは「アニメTシャツ」のムーブメントを直接感じている。老舗メーカーのプリズマ(大阪市東淀川区)の村上淑人代表は「アニメの女性キャラクターのプリントや、自らデザインしたオリジナルキャラクターのプリント依頼が今年は増えている」と語る。

 「顧客にはプリントのクオリティにこだわる人が多く、技術や発色には特に気を使っています。特に『総柄プリント』という、Tシャツ全体にプリントされる技法はお問合せが多いです。うちでは特殊なプリント機械やインクを使用しているので、Tシャツの品質には満足してもらっています」

 “痛T”を作るオタクに支持されるプリズマのスタッフに話を聞いた。

●法人向けから一般顧客にもサービスを提供

 Tシャツやジャケット、タオルなど、「布モノ」への印刷加工を請け負う株式会社プリズマ。同社は30年前からアパレル企業などの法人向けにサービスを行なってきたが、約3年前から一般の顧客にも同等のサービスを開始させた。個人や小規模なスポーツチームなどの団体で、オリジナルTシャツを作る需要を見込んでの事業拡大だ。

 しかし、一般向けサービスを始めた3年前は、まだ問い合わせがまばらだった。プリズマ広報担当の山本氏は、「HPを立ち上げたがSEO対策もしていなかったため、毎週数件の問い合わせしかこなかった」と語る。だが、それから3年が経った現在は、毎日10件前後の問い合わせが来るようになり、業績を伸ばしている。3年前に比べて「他人とは違うTシャツを着たい」という顧客が増えているようだ。プリズマが受ける注文のなかで、特に人気が高いのは、自身が描いたイラストやオリジナルキャラクターをTシャツ全面に派手にデザインした「痛Tシャツ」だと言う。顧客のなかにはリピーターも多く、山本氏は「人気の秘訣は印刷品質」と言う。


 プリズマは現在も大手アパレルメーカーからオーダーを受け、Tシャツやタオルなどの布モノを大量に印刷している。日本人なら誰もが知るメーカーのTシャツや、アニメファンにお馴染みのブランドのTシャツなどだ。

 これらの商品の生産はすべて社内のスタッフが自社工場で生産を行なっており、品質管理が行き届いている。その生産ラインをそのまま一般顧客向けに開放しているのだから、アパレルショップで販売されているTシャツと同等のクオリティーのオリジナルTシャツを生産可能というわけだ。もちろん、使用する機械はすべて業務用の印刷機だ。

●業界を支えてきた技術者が一般顧客にも対応

 山本氏は「昔から流行を作るのはアパレル業界」と語る。アパレル業界は常に新しいモノを追い求めており、毎年新たなトレンドが生まれる。色やデザインだけでなく、印刷方法にも流行がある。プリズマの技術者は、そのようなアパレルメーカーが生み出す斬新なアイデアに応えるため、約30年間さまざまな印刷技術を研究してきた。

 山本氏は「現場のスタッフは職人が多いので、現在増加している一般の顧客からの注文にも応えられる」と語る。最近の顧客は目が肥えており、オリジナルTシャツといえど品質にこだわる傾向にある。しかも顧客自身が描いたイラストともなると、色や印刷品質に敏感になるのは当然だ。時間と費用はかかるが、色校正も人気のサービスだ。

●インパクトが重要!? 最近流行りつつある「総柄」Tシャツ

 オリジナルTシャツの注文のなかで、最近好評なのが「総柄」と呼ばれるハデなTシャツ。これはワンポイント印刷ではなく、Tシャツ全面に印刷する印刷方法だ。胸部だけでなく、襟や袖まで印刷が及ぶのでインパクトは大きい。この総柄印刷は従来の印刷機では印刷できないため、特殊な業務用印刷機が必要なのだが、現在プリズマでは2台が稼働中だ。これによって、毎日100枚程度の総柄印刷が可能だと言う。

 この総柄Tシャツの場合、一般的な生地のTシャツに100枚印刷すると1枚あたり1400円程度で生産可能。総柄ではない従来のワンポイントTシャツでは600~700円なので、使用するインクの量や仕上がりを考慮するとそれほど高くない。インクジェット印刷加工の約2割が総柄印刷とのことだ。

 山本氏は、「いまは一般のお客様が、普通に販売されているTシャツよりもハデな総柄Tシャツを作りたがる時代。もしかしたら、アパレル業界よりも突飛なアイデアを持っているのかもしれない。我々はそのようなアイデアに応えられるように印刷技術を高める努力をしている。もしもTシャツを作りたいと思ったら、我々に問い合わせをしていただいて、斬新なTシャツを作らせてほしい」と語る。

 プリズマの村上代表は「衣服の中でもTシャツは、着る人のアイデンティティを表現する“場”だ。そうした自己表現をするTシャツでアニメやキャラクターのTシャツが増えているのは、オタクが公共の場でも認められてきているということなのでしょう」と分析する。

「痛Tシャツ」需要で業績を伸ばす「プリズマ」

《佐藤隆博》
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