そのノイタミナ拡大の第1弾となった作品のひとつが、水島精二監督の『UN-GO』である。ストーリー構成・脚本に會川昇さん、アニメ制作はボンズと大ヒット作『鋼の錬金術師』の重量級スタッフが並ぶ。さらに注目のイラストレーターpakoさんと高河ゆんさんがキャラクターデザインとして加わり、豪華だ。
原案を坂口安吾からとる探偵推理ものとしているが、大胆な翻案はどんな展開となるのか全く読めないだろう。11月19日からは、テレビに連動した映画『UN-GO episode:0 因果論』の2週間限定レイトショー上映も決定している。作品と共にその展開も目が離せない。

この『UN-GO』の第1話先行試写会が、10月2日の東京・お台場フジテレビ・マルチシアターで開催された。午後の部のゲストには、主役の結城新十郎役の勝地涼さん、海勝梨江役の山本希望さん、海勝麟六役の三木眞一郎さん、さらに水島精二監督、會川昇さんが登壇。来場したファンを沸かせた。
今回、主役となったことについて勝地さんは「正直、すごく気合が入っています!その反面最初にお話を頂いたときは丁重にお断りをしようかと思うほどプレッシャーを感じていましたが、新十郎とともに自分も成長できればいいと思います」と意気込みを語った。
山本さんは「新十郎とは第1話で出会って、最初はあまり良い印象を彼に対して持たないんです。でも今後の二人の関係も注目していただければと思います」と見どころを紹介。
山本さん演じる梨江の父である海勝麟六役の三木眞一郎さんは、「梨江の父親であり、政財界を牛耳る大物という設定です。階段を登っていくであろう二人(新十郎と梨江)の若者を、階段上る姿をぷっは~(タバコ吸うポーズ)としながら眺めている、おっさんの役です」と役柄を披露した。
また、制作スタッフからは會川昇さんが、探偵ものでノイタミナにチャレンジすることについての理由を披露した。會川さんによれば、探偵ものは少し古臭いイメージがある。しかし、推理ものはいつの時代でも人を惹きつけるエンターテイメントの王道であり、間口が広く、敷居の低い、誰が見ても楽しめるものとしてこれを選んだという。そのうえで、「探偵ものというわかりやすいものに、その時々の現実の問題をエンターテイメントの中に入れて昇華していくというのが“UN-GO”のテーマ」と話す。
水島監督は「テレビの放映中に劇場上映も行なうという現場的にはかなり冒険をした作品です。スタッフとともにとても作品に愛を持って作っているので、まずは第1話楽しんでください」と話す。これは会場のファンだけでなく、これから放映を観る全てのファンに向けたメッセージと言っていいだろう。
『UN-GO』
/http://www.un-go.com
「UN-GO episode:0 因果論」
11月19日(土)よりTOHOシネマズにて2週間限定レイトショー上映