
『サイボーグ009』は巨匠石ノ森章太郎さんの代表作、1964年に連載を開始し、その後ライフワークとして描き続けられた。映画、テレビにとたびたび映像化され、世代を超えた人気を誇っている。
今回、「クラブサンデー」に掲載された作品は、石森プロと小学館「週刊少年サンデー」編集部が主催した「サイボーグ009まんが賞」に基づくものである。この賞では、『サイボーグ009』の世界観やキャラクターを使用した未発表のオリジナル作品を、まんが部門とシナリオ部門のふたつで募集した。
このうちシナリオ部門の受賞作は、石森プロのスタッフの作画によるマンガが決まっていた。今回、掲載されたのがこの作品だ。
そうして完成した作品が、『サイボーグ トランプ・タワー』である。携帯電話という現代的なテーマを取り入れつつ、見事にサイボーグ009の世界観の中でそのストーリーを展開させている。2010年に石ノ森章太郎さんがいれば、まさにこうした作品を描くのではないかと思えるほどだ。
作品の完成度の高さの秘密は、シナリオ部門グランプリ受賞者にありそうだ。実はこの『トランプ・タワー』の脚本を書いたのは、『美少女戦士セーラームーン』シリーズや『デジモンセイバーズ』、『Project BLUE 地球SOS』などを手掛けるアニメ脚本家 山口亮太さんだからだ。アイディアに満ち、起伏のある展開が読む者をドキドキさせる。
石森プロによれば、『サイボーグ009』のマンガがメディアに掲載されるのは、1992年1月1日に産経新聞に掲載された石ノ森章太郎さん自身による「緊急シュミレーション1992編」以来、18年振りだという。また、石森プロとして『サイボーグ009」の新作マンガを発表するのは今回が初めてである。
いまも様々な企画が進行する作品だが、今回は新作マンガの登場で、ファンを驚かせたかたちだ。
画像: (c)石森プロ
「週刊少年サンデー」の無料コミックサイト「クラブサンデー」
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石森プロ
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サイボーグ009まんが賞シナリオ部門グランプリ
「サイボーグ009トランプ・タワー」
原作: 石ノ森章太郎
脚本: 山口亮太
作画: 石森プロ