『ウォッチメン』などの異色作で知られるアメコミ界の鬼才アラン・ムーアの初期代表作『スワンプシング』が、国内で邦訳出版される。2010年8月31日に小学館集英社プロダクションより発売、オールカラー192ページで価格は税込2730円となる。イングランド生まれのコミックライター Ａ・ムーアは、『ウォッチメン』、『V フォー・ヴァンデッタ』、『フロム・ヘル』などの複雑で豊かなストーリー性を持つ作品により知られている。その作風はアメリカン・コミックスのほとんどの作者に影響を与えたとされおり、1980年代以降で最も重要なアメリカン・コミックスのクリエイターの一人である。
本書『スワンプシング』は1973年にリリースされたA・ムーアの米国デビュー作、その世界観の原点ともいうべき作品である。偶然の事故によって植物人間として生まれ変わった科学者アレックス・ホランドの苦悩と正義を描く。時系列の倒置や暗喩、モノローグなど、当時としては実験的な試みが数多く盛り込まれた。発表当時アメコミ界に衝撃を与えたホラー作品の傑作でもある。
本国ではカルト的な人気を誇っており、これまで2度にわたり映画化された。『エルム街の悪夢』、『スクリーム』などのウェス・クレイヴァン監督による『怪人スワンプシング/影のヒーロー』がよく知られている。
発売元の小学館集英社プロダクションは、アメリカン・コミックスの翻訳出版の積極的な紹介で注目を浴びている。2009年3月発売の『ウォッチメン』、2010年7月発売の『マーベル・キャラクター大辞典』などでヒットを飛ばす。そうした中で今回は、40年近く前の古典作品の出版に挑む。
同社は9月30日には『バットマン：アーカイブ・アサイラム 完全版』の復刊、『ヘルボーイ：壱』、『ヘルボーイ：弐』などの発売も行う。今後も積極的に海外コミックスに取り組む。
画像： (c) 1983, 1984, 2010 DC Comics. All rights reserved.
小学館集英社プロダクション /http://books.shopro.co.jp
『スワンプシング』
アラン・ムーア（作）、スティーブン・ビセット、ジョン・タトルベン（画）
訳者： 石川裕人、プレシ南日子
仕様： Ｂ5判変型、並製、192ページ、オールカラー
定価： 2730円（税込）
発売日： 2010年8月31日
発行元： 小学館集英社プロダクション
