CEDECはもともと、ゲーム開発者が最新の技術情報の共有を行うため始まったものである。近年は、技術だけでなく、ゲームデザインやビジネス、アカデミックな研究も巻き込んで、イベントの大型化が進んでいる。現在では、東京ゲームショウと並ぶ、ゲーム業界にとって最も重要なイベントになっている。
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そうしたCEDECだが、開催11回目を迎える2009年は、あらたに大きな変化を見せている。まず、これまでは都内の大学を会場としていたが、今回からはパシフィコ横浜・会議センターに移り、コンベンションの体裁をより強化した。会場の移転により、セッション数を昨年の100から150に増やし、一気規模を拡大する。
またアカデミックとの連携を強化し、現在の技術だけでなく、将来のゲーム開発、ゲームの在り方をも見通すものとなる。開催初日の基調講演をゲーム研究の第一人者東京大学名誉教授の原島博氏が担当したのはその象徴となった。
さらに併設イベントとして、学生向けの「『ゲームのお仕事』業界研究フェア」を設けたのも、今回の大きなトピックである。ゲーム業界の基盤に欠かせない人材の部分を、CEDECと連動することで強化する。
「『ゲームのお仕事』業界研究フェア」では、CEDECとは別に無料セミナーを40近くも設けており、初日はゲーム業界を目指す多くの学生で賑わった。ゲーム業界志望者と業界がシームレスにつながることは、業界にとって大きな意味を持つだろう。
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また、2009年の開催と伴に、早くも2010年の開催日程も明らかになっている。開催12回目となるCEDEC2010は、2010年8月31日から9月2日に、今年と同じくパシフィコ横浜 会議センターを会場とする。
今年と同様の大規模開催を目指すことになりそうだ。イベントを主催するCESAは、東京ゲームショウをビジネスの場、CEDECを技術開発と業界の情報共有の場と位置づけている。ゲーム業界を支えるビジネスと技術の両輪のひとつとして、今後もCEDECの重要性は増しそうだ。
CEDEC2009(CESAデベロッパーズカンファレンス2009)
/http://cedec.cesa.or.jp/2009/index.html