ゲームソフト会社のレベルファイブは、9月26日に新作タイトル発表会「LEVEL5 VISION 2008」を東京国際フォーラムで開催した。このなかで同社は、完全新作タイトル4作品の紹介を行った。 そのなかで最も注目を浴びたのは、2009年に発売予定のニンテンドーDS向けロールプレイングゲーム『二ノ国 THE ANOTHER WORLD』である。 『二ノ国』は宮崎駿監督、高畑勲監督の劇場アニメで知られるスタジオジブリが、アニメーション作画を手掛ける。ビッグネームのアニメスタジオとレベルファイブとコラボレーションである。スタジオジブリが完全オリジナルのゲームソフトに関わる初めてのケースであり、驚きも大きい。 また、音楽には宮崎アニメで御馴染みの久石譲さんが参加する。さらに現在公開されているビジュアルからは、スタジオジブリの世界観が伝わって来る。 レベルファイブは、1998年に福岡を拠点に設立されたゲームソフトの開発会社である。自社ブランド作品の「レイトン教授」シリーズで高い人気を獲得している。 「レイトン教授」シリーズは、ハイクオリティの作画で実現したアニメーションパートで話題を集めたが、こちらはピーエーワークスが制作を行なっている。しかし、こうしたクオリティー重視の制作姿勢が、やはり作品のクオリティーを大切にするスタジオジブリの制作方針とも重なったと言える。 今回のコラボレーションは、スタジオジブリにとってのビジネス的な理由も垣間見える。スタジオジブリは劇場映画を主要事業としているため、映画の公開のある年とない年の売上高のぶれが大きいとされている。また制作スタッフ陣の仕事量も、同様に変動が大きい。 ゲームが発売される2009年はスタジオジブリの劇場アニメの公開予定はなく、スタジオのビジネスの端境期になる。今回のゲームソフトのアニメーション作画への参加は、こうした仕事量の大きな変動を和らげる目的もあるに違いない。 また、今回のゲームソフト制作への進出は、これまで劇場映画制作とその周辺事業、一部の限定されたキャクター商品のライツビジネスしか行ってこなかったスタジオジブリのビジネスの変化も感じさせる。 今後スタジオジブリが、現在の劇場映画やジブリ美術館向けの短編アニメ以外のアニメ制作分野に進出するかどうかは気になるところである。ゲームソフト制作参加への進出は、将来的にはスタジオがテレビアニメ制作への進出する可能性も感じさせるからだ。レベルファイブ /http://www.level5.co.jp/LEVEL5 VISION 2008 /http://www.level5.co.jp/level5vision/2008/スタジオジブリ /http://www.ghibli.jp/
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