ヴェネチア映画祭の公式出品作として大きな話題を呼んだ『パプリカ』が、東京国際映画祭animecs TIFF2006のオープニング作品として21日に六本木ヒルズで国内プレミア上映された。 『パプリカ』は上映会のチケットが売り出しと同時に売り切れるなど、東京国際映画祭のなかでも特に大きな関心を集めている。 この満員となったオープニング上映には、今 敏監督のほか原作者筒井康隆氏、声優の古谷徹氏など豪華なゲストも現れ、満員となった劇場を沸かせた。 『パプリカ』はヴェネチアのほかに既にスペインとパリで開催された映画祭でも上映されている。しかし、日本公開は今回が初めてである。今監督はようやく日本でも公開出来ますと今回の上映を喜んでいた。 監督は舞台挨拶で『パプリカ』を観るうえでの注意として、「膨大な原作を90分にまとめた作品はボリュームがあるけれども、伏線とかは考えずに映画を楽しんでください。考えだすと映画から置いてかれます」と語った。 そのうえで「実際の夢も、今回の映画のようにアップテンポで考える暇がないものなのです」と述べ、純粋に映画を楽しんで貰えればとした。 また、筒井氏は「この映画の原作はかつて河合隼雄さんに癒しの効果があると言われたが、映画はさらにその癒しの効果が高まっている。皆さん映画を観て是非癒されてください」と映画の面白さを説明した。 さらに、「もともと自分からお願いして映画化してもらった作品ではあるけれど、思った以上の出来だった」と作品の仕上がりにも大満足の様子だった。 主要登場人物の時田浩作を演じた古谷徹氏は、体重200キロ以上の巨漢のこの役を指名された時は一度断ろうと思ったこと、そしてピュアな声が欲しいという監督の要望でこの役を引き受けたことを紹介した。 そのうえで、今はこの役を断らなくて本当に良かったと思っていると作品の公開を祝福した。 作品は正月第1弾として年末公開を予定している。今回の東京国際映画祭やヴェネチアを通じた話題の盛り上がりからこれまでの今監督の作品以上に人気を呼びそうだ。(c)2006 MADHOUSE/SONY PICTURES ENTERTAINMENT[JAPAN] INC./東京国際映画祭 /パプリカ公式サイト
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