マンガはなぜ赦されたのか-フランスにおける日本のマンガ-第6回「郊外」から成功したマンガ出版社:Ki-oon-後編- 3ページ目 | アニメ!アニメ!

マンガはなぜ赦されたのか-フランスにおける日本のマンガ-第6回「郊外」から成功したマンガ出版社:Ki-oon-後編-

短期集中連載(毎日曜・水曜更新)、全9回予定。■豊永真美 [昭和女子大現代ビジネス研究所研究員] [第5章「郊外」で起業するということ-後編―] 新興マンガシ出版社Ki-oonの誕生とビジネスにフォーカス。

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現在となりのヤングジャンプで連載されている筒井哲也の「有害都市」は筒井哲也自身とKi-oonとの関係を彷彿とさせる記載がある。2019年の近未来、表現規制が厳しくひかれている日本で、人の屍を食べたくなる病を描いた作品を書いたため、有害図書指定に苦しむ主人公のマンガ家が、アメリカの出版社にネット上で見いだされるという話だ。アメリカの出版社が海外出版のエージェントとなるかわりに、印税は10%と、通常の8%と比較しての好条件を主人公に提示する。
今後、アメリカン・コミックスの規制についても話が展開するようなので、残念ながら、翻訳エージェントを申し出るのがアメリカ人となっているが、ウェブ上で作品を探し当てたこと、主人公に提示する翻訳出版の条件、日本語のうまさ、子供のころは「北斗の拳」や「シティハンター」を読んでいたという設定など、Ki-oonのアメッド・アニュとの類似条件が多い。

筒井哲也は「予告犯」が2015年6月に公開予定だが、もし筒井がもっと有名になれば、あるいは、もっとKi-oonも注目されることになるかもしれない。
フランスの移民出身者と日本のコミケ作家やウェブ作家が作った物語は爽快感のあるものでもあるのだからである。

*25 ラジオ局rfi” En sol majeur”2011年8月29日放送(Yasmine Chouakiによるインタビュー)http://www.rfi.fr/emission/20110829-1-ahmed-agne/にて聴取
*26 筒井哲也ホームページ「STUDIO221」 2015年2月11日閲覧

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