IGがフルCGアニメーションのスタジオ設立 ファミリー・キッズアニメを目指す | アニメ!アニメ!

IGがフルCGアニメーションのスタジオ設立 ファミリー・キッズアニメを目指す

IGポートが、2014年10月に新たなアニメーション制作会社シグナル・エムディ(予定)を設立する。フルデジタルのアニメーションとスマートデイバイス向けの技術開発を行う。

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アニメ・マンガ関連の持株会社IGポートが、2014年10月に新たなアニメーション制作会社を設立する。9月19日の取締役会で決議した。新会社は株式会社シグナル・エムディ(予定)となり、フルデジタルのアニメーションとスマートデイバイス向けの技術開発を行う。また、子ども向け・ファミリー向けのアニメーション制作のための基盤を構築するとしている。
新会社の資本金は3000万円を予定し、IGポートが100%出資する。社長にはグループ会社のプロダクション I.Gの取締役企画室担当兼企画室室長である森下勝司氏が就任する。森下氏は、プロダクションI.Gで、『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』や『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』ほか多くの作品でプロデューサーを務めた経験がある。

IGポートは、アニメの企画・製作、制作やマンガ出版を行うグループ企業を統括する持株会社である。グループ会社には、「攻殻機動隊」シリーズなどのヒット作で知られるプロダクション I.G、『宇宙戦艦ヤマト2199』などのジーベック、『進撃の巨人』で一躍名をあげたウィットスタジオなどがある。また、タツノコプロにも出資する。
シグナル・エムディでは、同社にとってアニメーション制作では4番目の連結子会社となる。2012年のウィットスタジオに続く、新スタジオの立ち上げである。会社は武蔵野市三鷹駅近くで、プロダクションI.Gにも近い。

シグナル・エムディで注目されるのは、同社がフルデジタルアニメーションを手がけるとしていることだ。もともとプロダクションI.Gは、デジタル分野が強いスタジオとされてきた。しかし、近年はCGスタジオの白組、ポリゴン・ピクチュアズ、OLMデジタルなどが商業アニメーション分野で存在感を増している。さらにサンジゲンやオレンジ、グラフィニカなどの新興スタジオの成長も著しい。
老舗の会社でも東映アニメーションやサンライズもCGに力を入れている。CGアニメーションについては、同社はやや出遅れ感があった。2012年のフルCGの劇場映画『009 RE:CYBORG』の制作現場も、サンジゲンであった。シグナル・エムディは、そうしたなかIGがグループとしてCGアニメーションに積極的に取り組むとの意思の表れだろう。

もうひとつ大きなポイントは、シグナル・エムディがキッズ・子ども向けのアニメーション制作を目指していることである。IGは2004年に『ホッタラケの島』でキッズ向けのCGアニメーションに挑戦した。その後は、そうした取り組みは途絶えていたが、あらためてこの分野を目指す。
少し前まで日本では、国内産のキッズ・ファミリー向けのCGアニメーションはヒットしないとされてきた。しかし、2011年の『friends もののけ島のナキ』のヒット、本年の『STAND BY ME ドラえもん』の大ヒットで環境は変わっている。
2014年夏には、セガサミーグループのマーザ・アニメーションプラネットのLAスタジオも設立し、東映アニメーションも本年CGアニメーションの『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』を製作、公開した。国内各社がCGアニメーションに力をいれるなかで、IGも新たな巨大な市場を目指す。
《数土直志》
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