ミュージカル「忍たま乱太郎」と「11人いる!」は“友情”がキーワード 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第10回 | アニメ!アニメ!

ミュージカル「忍たま乱太郎」と「11人いる!」は“友情”がキーワード 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第10回

連載・コラム 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義

ミュージカル「忍たま乱太郎」と
「11人いる!」は“友情”がキーワード



[取材・構成: 高浩美]

■ TVアニメからマスクプレイ、ゲーム、映画、ミュージカル、「忍たま」は国民的忍者

大ヒットアニメ「忍たま乱太郎」、今年の夏はTVアニメ化20周年の節目の年“子供店長”加藤清史郎主演の映画が控えており、まさに“忍たまYEAR”。
原作は尼子騒兵衛の「落第忍者乱太郎」、TVアニメ化は1993年、その後1996年には劇場版アニメが公開、2010年にはミュージカル「忍たま乱太郎」が上演、翌年には実写化。また、劇団飛行船ではマスクプレイの「忍たま乱太郎」を上演、声はそれぞれの声優が担当し、こちらも人気を博した。

ミュージカル「忍たま乱太郎」は今年で第4弾、上演100回目を迎える。劇団飛行船、劇場版アニメ、実写映画はファミリーで楽しめる“忍たま”だが、ミュージカルは大人の女性がターゲット。乱太郎の上級生達が身体を張って大活躍する。もちろん、忍たまらしいギャグテイストはそのままに激しいアクションを魅せてくれる。
“直球”ならファミリーミュージカルになるはずだが、上級生達を主軸に据えて、乱太郎らを脇に回すことで、「外伝」的要素も加わり、新しい世界が見えてくる。今回は「最恐計画を暴き出せ!!」と銘打ち、またまたドクタケ城の忍者達とバトルを繰り広げる。


■ 記念すべき第4弾、公演100回目は、またまたアクション満載

終わることのないドクタケ城の忍者達との戦いではあるが、今回はさすがの彼らもちょっと知恵がつき、上級生忍者に“なりすまし”潜入する。一方、ドクタケ城の忍者側にも怪しすぎる“助っ人”3人が現れて・・・。最後はお決まりの大バトル、忍者ならではの飛び道具を使ってところ狭しとアクションを繰り広げる。
乱太郎達はすぐにつかまって上級生達に助けられるところはお約束のパターン。オチもすぐに読めてしまうが、それでもわくわくして観てしまうのは、作品の魅力にほかならない。ギャグに次ぐギャグの応酬で、気楽に観られる、娯楽作品だ。

■ 萩尾望都の名作「11人いる!」

一方はスタジオライフ、萩尾望都作品の「11人いる!」。この劇団、演出家以外は男性のみで構成されており、萩尾望都作品は「トーマの心臓」等を上演している。「11人いる!」は少女マンガとしては異例のSF作品。宇宙大学の最終テスト、外部との接触を一切断たれた宇宙船を舞台に11人が疑心暗鬼を抱えながらも信頼や友情関係を結びながら、非常事態に立ち向かってゆく様を描いている。

コミックは1975年「別冊少女コミック」で連載され、1976年に小学館漫画賞少年少女部門を受賞。1977年にはNHK少年ドラマシリーズに、1986年にはアニメーション映画化されている。2004年に男性だけの演劇集団アクサルによって舞台化、2008〜2009年に再演もしている。
スタジオライフでは2011年に舞台化し、作品世界をきちんと踏襲。今回の再演は単なる“再演”ではない。「日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演」の一環としての公演、スタジオライフの団員の若手を極力起用し、実力をつけてもらおう、という狙いがある。
ファンにとっては注目の若手に大きな役がついて活躍するところが観られる「美味しい公演」とも言えよう。また、2チームに分かれて「競演」、役者が違えば雰囲気も変わる、ここもファンにとっては“ツボ”となっている。


■ 芝居できっちり魅せる、スタジオライフの俳優陣

「11人いる!」の舞台は宇宙船内。密室で繰り広げられる人間同士の確執や友情、信頼、疑惑等、人間の「業」とも言える要素が渦巻いている。この設定はまさに“舞台向き”ではある。俳優陣にはかなりしんどいが、やりがいのある設定とも言えよう。宇宙船には10人乗ることになっているはずなのに、なぜか11人いるところから騒動は始まる。

物語の中心となるのは受験生の通称“タダ”。演じるのは劇団外の公演にも出演している松本慎也(ダブルキャスト:荒木健太郎)。初演もタダを演じており、難しい役所をよくこなしていたのが印象的。また、劇団外からは、子役からアルゴミュージカル等で実力をつけ、最近では「銀河英雄伝説」や「オオカミ王ロボ」等に出演の内藤大希が通称“フロル”役に(ダブルキャスト:及川健)。男っぽい口調なのに女性的な風貌のキャラクターをコミカルに演じ、芸達者ぶりをアピールしていた。
また、全体として「チームワーク」も良く、ベテランから若手まで上手くまとまっていたのは劇団ならでは。また、2月には「続・11人いる! 東の地平・西の永遠」の上演も予定されている。簡単に言ってしまえば、「11人いる!」のその後の物語。こちらも是非、チェックしたいものだ。


■ 普遍のテーマ「友情」と「絆」

ミュージカル「忍たま乱太郎」と「11人いる!」、タイプは全く正反対の作品だが、実は双方に共通しているキーワードは「友情」と「絆」。
忍術学園の忍者達は固い友情で結ばれており、ドクタケ城の忍者に全力で立ち向かう。ギャグとアクションが主体ではあるが、意外とほろりとくる。一方「11人いる!」は友情が育まれにくい状況下にも関わらず、少しずつ人間関係が構築されていくところを「硬派」に描いている。
どちらも原作のテイストを尊重しつつ、舞台だからこそ出来る表現で作品世界を再現している。「友情」とか「絆」は言葉にするとこそばゆいかもしれないが、新年早々、こういった作品を見るのもよいかもしれない。

ミュージカル「忍たま乱太郎」
第4弾「最恐計画を暴き出せ!!」
2013年1月9日〜20日
サンシャイン劇場
/http://www.musical-nintama.com/

「11人いる!」
2013年1月10日〜20日
紀ノ国屋ホール

「続・11人いる! 東の地平・西の永遠」
2013年2月28日〜3月17日
紀ノ国屋ホール
2013年3月20日
名古屋名鉄ホール
2013年3月30日
かめありリリオホール
2013年4月6〜7日
サンケイホールブリーゼ
/http://www.studio-life.com/
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

  • 田村由美の人気マンガ「BASARA」が舞台に 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第9回 画像 田村由美の人気マンガ「BASARA」が舞台に 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第9回
  • 話題の舞台「銀河英雄伝説」と「裏切りは僕の名前を知っている」 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第8回 画像 話題の舞台「銀河英雄伝説」と「裏切りは僕の名前を知っている」 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第8回

特集