高浩美のアニメ・マンガ×ステージ 「ダイヤのA」「薄桜鬼」「王家の紋章」「NARUTO」 | アニメ!アニメ!

高浩美のアニメ・マンガ×ステージ 「ダイヤのA」「薄桜鬼」「王家の紋章」「NARUTO」

連載・コラム

高浩美のアニメ・マンガ×ステージ 「ダイヤのA」「薄桜鬼」「王家の紋章」「NARUTO」
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高浩美のアニメ・マンガ×ステージ評
第176回

2012年の夏から始まったこのコラムですが、この回を持ちまして『アニメ!アニメ!』さんでの連載は最終回となります。
一番最初の記事は舞台『銀河英雄伝説』、多くの舞台を紹介させていただきました。前編集長の数土直志様、スタッフの皆様、制作会社の皆様、ありがとうございました。ほぼ丸3年間、これだけの長きに渡って続けられたのも、皆様の支えがあったからです。

連載当初はこういったアニメ・コミック・ゲームの舞台化作品についてまとめて紹介するコラムが誌面、WEB共に存在していなかったので、先鞭をつけることが出来たと自負しております。ここ1年の間にこのジャンルの制作本数も飛躍的な伸びを示し、観客動員数もおよそ年200万人に達し、『アニメ!アニメ!』でのこの連載はひとつの役割を担ったと思っています。

尚、このコラムはアニメミュージカルニュースサイト『2.5news』さんへ連載を移すことになりました。引き続き『アニメ!アニメ!』共々宜しくお願いいたします。

■「ダイヤのA The LIVE III」

人気コミック『ダイヤのA』、舞台版も好調で、この夏で第3弾になる。単行本11~15巻までのストーリーで薬師高校との熱い試合が中心となる。
この舞台はエピソードを省略せずにじっくりと描くのが大きな特徴、まずは薬師高と市大三高との戦い、本命と言われた市大三高を下した薬師高、ここには怪物スラッガー轟雷市、激アツエース真田俊平といった強者がいる。沢村たち、青道高に轟雷市ら、薬師高のメンバーが大きく立ちはだかる……。

野球の試合だが、初演と同じく上段、下段の二重構造で野球の試合を立体的に見せる。ピッチャー、キャッチャー、バッターの立ち位置で"クローズアップ"させたりする。映像と俳優の動きをリンクさせたり、打球を、音はもちろん、照明や映像で表現する。今回は試合シーンがほとんどを占める。特に薬師高との対戦は1幕後半~2幕とかなりの時間をかけている。各選手の心の葛藤はモノローグで語る。一瞬、時間が止まるような感覚、そこに熱い想いが凝縮される。ひとつひとつの回、キャッチャーの企て、それに応えるピッチャー、それを凌駕しようとするバッター、ベンチで熱く温かく見守る監督、選手、丁寧に描き、作品の持つ熱量を余す事なく客席に届ける。1幕ものではなく2幕ものにしているのも頷ける。

勝敗は舞台が始まるまえからわかっているにも関わらず、何故かドキドキする。沢村栄純役の小澤廉始め、青道メンバーは安定感があり、薬師高校のメンバーは初参加らしいパッションに溢れていた。1幕の前半に登場した市大三のメンバーは、ずっと客席通路にいる。試合を見届けたいという思い、負けても球場から離れられない。早々に舞台から姿を消すか、あるいはたまに出てくるかが通常の演出パターンであるのに、ずっと客席通路に居続けさせることによって、心底野球に魅せられているのだということを観客に伝える。

ラスト近く、うつむいて悔し涙を流す轟雷市の顔がスクリーンいっぱいに映し出され、そこに涙が落ちる。敗者への限りない愛とエール、『ダイヤのA』の舞台版の真骨頂がここにある。

【公演データ】
「ダイヤのA The LIVE III」
2016年8月19日(金)~9月4日(日)
Zeep ブルーシアター六本木
http://officeendless.com/sp/diaace_live/
(C)寺嶋裕二・講談社/「ダイヤの A」The LIVE III製作委員会

■ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 2

今回は"夏祭"、開演前は祭り囃子が流れ、雰囲気を醸し出す。始まれば観客総立ち!サイリウムを振って"タテノリ"状態だ。ミュージカルがベースなので、本公演に沿った楽曲の流れもあり、芝居部分もありで多角的に楽しめる構成。基本的にはショー・レビューなので、本公演よりダンスが多く、ジャズダンスベースの動きあり、最新のコリオあり。お約束の殺陣、アクションも賑やか、1時間ほど過ぎたところでゲストを招いてのトークコーナー、過去に出演していたメンバーなので、「今だから言える」内容が飛び出す。東京初日は郷本直也と宮崎秋人、郷本は土方役でオーディション受けたとのことで、結果は周知の通り。宮崎もオーディションを受けたが、当時はどこの事務所にも所属してなかったとのことで、意外性のある話で観客席から驚きの声が上がった。トークの後はライブも後半、ここからは本当に歌、ダンスが怒濤のように「これでもか」と繰り出される。メドレーも楽しく、前半、後半とも音楽がほとんど途切れない。ライトモチーフも効果的、"あの曲"は何度か出てくるが、ちょっとづつアレンジに変化をつけている。

よくあるショーやレビューではなく、次回の本公演に繋げていくような空気感を出す、このLIVE。新キャストのお披露目的な要素もあり、千秋楽には次回作(原田左之助篇・2017年春)も発表されたが、こういった"演出"もなかなか憎い。

【公演データ】
ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 2
京都:2016年8月12日~13日 京都劇場
東京:2016年8月16日~17日 Zepp Divercity
http://www.marv.jp/special/m-hakuok
(C)アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会

■ミュージカル『王家の紋章』

今年夏の最大作品のひとつ、ミュージカル『王家の紋章』が本格大型ミュージカルとして舞台化された。ほとんど途切れることのない音楽、シルヴェスター・リーヴァイの楽曲は『エリザベート』や『モーツァルト!』等の大ヒットミュージカルの楽曲を手掛けている巨匠だけあって、多彩なメロディで物語を印象づけるだけでなく、作品世界をダイナミックな広がりを感じさせてくれる。キャストの歌唱力が高く、主演の浦井健治始め、新妻聖子、宮野真守、濱田めぐみ等トップクラスの俳優陣が情感豊かに歌う。ソロ、二重唱、三重唱、聴かせどころばかりでミュージカルファンはもちろん、原作ファンも納得の楽曲ばかりだ。

ストーリーは1~4巻まで、演出の荻田浩一は、宝塚歌劇団出身の演出家、立体的なフォーメーションやビジュアル的な美しさにこだわり、往年の少女コミッックの世界を舞台上に"再現"させる。プロジェクション・マッピング等は使用せず、あくまでも大舞台に適した"マンパワー"、照明、音、楽曲、小道具等を駆使する。特にミタムンの最期のシーンは首謀者の残虐さとミタムンの悲劇性が融合した美しくも儚いシーンとなっていた。

時空を超えたロマンスを軸に様々な人物のサイドストーリーや人間関係が複雑に絡み合うのが、原作の面白さ。脚本に苦心の後がうかがえる。時空を超えた大河ロマン、帝国劇場という場所にふさわしい。2017年4~5月に早くも再演が決定している。

【公演データ】
ミュージカル『王家の紋章』
2016年8月5日~8月27日
プレビュー公演
2016年8月3日~8月4日
帝国劇場
http://www.tohostage.com/ouke/
(C)細川智栄子あんど芙~みん(「月刊プリンセス」)

■ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」

昨年好評だった舞台の再演であるが、初演よりドラマ性を強調し、イリュージョンもところどころバージョンアップさせて、さらに見応えのある舞台になった。ナルトとサスケの関係や大蛇丸の心情も深く掘り下げられ、観客はさらに共感・感動出来る。ナルトとサスケが対峙するシーンはアクションだけでなく心の機微も表現、どうにもならない状況でありながらも深いところで理解しあっているのだ、と捉えられる。はたけのカカシやうみのイルカ、自来也等の"大人達"、ナルトたち若い忍者の傍らに心理的に寄り添う姿をよりはっきりと描き、細かいところをさらに丁寧に再構築し、演劇的な見地から見ても初演を上回る出来映えとなった。また俳優陣も昨年の海外公演での経験がきちんと糧になって芝居にアクションに安定感を見せてくれた。コミックの面白さに舞台ならではの表現で『NARUTO』らしさを舞台に"再現"。ナルトたちの全力でぶつかっていく姿勢とスタッフの新しい表現にとことん挑戦する姿勢がリンクする、次回もさらなる高みを目指して欲しい。

【公演データ】
ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」
大阪公演
2016年7月30日(土)~8月7日(日)
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
東京公演 2016年8月13日(土)~8月28日(日)
AiiA 2.5 Theater Tokyo
中国公演 2016年10月22日~12月18日(上海・杭州・北京・長沙・広州・深セン)
公式HP http://www.naruto-stage.jp
(C)岸本斉史 スコット/集英社 (C)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2016
《高浩美》
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