『欧米の最新アニメ市場と日本企業の次の一手』 | アニメ!アニメ!

『欧米の最新アニメ市場と日本企業の次の一手』

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東京国際アニメフェアシンポジウム
『欧米の最新アニメ市場と日本企業の次の一手』
主催 日本貿易振興会
パネリスト 海部正樹氏(Wowmax Media代表)
        豊永真美氏(ジェトロ・パリセンター次長)
モデレーター 木村信氏(ジェトロ輸出促進課長)

 このパネルは最初に木村氏が内外のアニメ市場規模の基本的な情報を押さえた後に、海部氏が北米におけるアニメ&マンガ市場の報告、豊永氏がフランスを中心としたヨーロッパの現状を報告した。パネルの時間は1時間半と比較的余裕があったはずなのだが、海部氏、豊永氏の内容の豊富さはその時間を短く感じさせるほどであった。

 海部氏の話は短時間に多くの情報が盛り込まれており、北米のビジネスを説明するというよりも、ビジネスのヒントになる情報を数多く提示するという感じであった。シンポジウムの参加者の多くが、そもそもアニメ市場の関係者であることを考えれば、より多くの情報をというのは参加者のニーズにもマッチしている。
 この中であげられた情報の中で個人的に気になった部分をあげてみたい。1点目は、2004年の北米のアニメ市場の落込みが想像以上で、2003年の5000億円超から約3500億円にまで減っていることである。海部氏はこの縮小を、主要作品の『遊戯王』の人気がピークを過ぎたためと説明した。
 さらに子供向けの市場は、いまだ『ドラゴンボール』、『遊戯王』といった少数の人気作品に支えられているという。逆にいえば、北米市場で大規模なビジネスの成功を考える時に、子供市場でいかに大ヒット作を生み出すかが重要だということであろう。
 また、最後に触れたソニーとコムキャストの設立するケーブルテレビの動きについて特に興味深かった。現在、日本アニメのメジャーな放送媒体は限られた地上波放送局とカートゥーンネットワークしかないがこうした状況が今後変わる可能性が高いという。
 確かに、大衆的な支持が必要な地上波放送は別としても、カートゥーンネットワークやアダルト・スイムの極めて好調な視聴率を考えれば、他の有力メディアがもこの分野に進出したいのは自然な考え方である。海部氏はソニーとコムキャストの動きをあげたが、他にもこうした放送局が増える可能性は考えられるのでないだろうか。そうすれば、日本アニメの放送枠が増えることにより、現在供給過多で激しい競争を行っている状況にも何らかの変化があるのかもしれない。

 豊永氏のプレゼンテーションも膨大な資料によって行われた。北米市場以上に数字の集計が行われることの少ないヨーロッパ市場の貴重なデータが多かった。特に、ヨーロッパ各国におけるアニメの放映時間やコミックやDVDの売上げなどはこれまではあまり把握されたことのないものであった。
 豊永氏によるとヨーロッパ市場の特徴は、特にフランス市場における日本アニメ&マンガの強さであった。その中で、劇場市場とテレビ放映、マンガ市場は健闘しているがライセンス関連の市場が圧倒的に弱いという。元々、ヨーロッパは日本に比べてキャラクター市場が弱いことをその理由にあげている。一方で、玩具市場自体は大きな市場があるので、これからの展開仕方しだいであるとした。

/日本貿易振興機構 
《animeanime》
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