『アニメーション制作の資金調達最新情報』 | アニメ!アニメ!

『アニメーション制作の資金調達最新情報』

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東京国際アニメフェアシンポジウム
『アニメーション制作の資金調達最新情報』
主催 東京国際アニメフェア実行委員会
パネリスト 亀田卓氏(電通エンタテイメント事業部)
      岩崎明彦氏 (ジャパン・デジタル・コンテンツ投資業務部)
      内田康史氏 (GDH共同最高執行責任者)
      杉浦健太郎氏 (経済産業省情報政策局文化情報関連産業課)

 今回のパネルを聞きながら感じたのは、過去2、3年間でアニメーション制作の資金調達に関する状況が大きな進展をみせたことである。それは、杉浦氏が説明する幾つもの産業支援策や法律の改正について現れていた。
 最新の事例として、例えばGDHの『バジリスク』のようなファンドが幾つもあげられていることはその反映である。それは関連する金融機関や会社の積極的な活動、こうしたシンポジウムの開催、コンテンツファンドに関する書籍の発売によるところも大きいだろう。会場の中でも、コンテンツファンドやSPC(特別目的会社)といった単語はごく普通に受け入れられていたように感じる。
 それではこうしたシンポジウムの役割が終わったかといえば、むしろ逆である。こうした状況が広まったからこそ、より複雑化するファイナンスの仕組みに関する知識の共有が必要になるからである。さらに、一般化するがゆえに激しくなる展開をフォーローしていかなければならないからだ。

 こうした状況で、今回のシンポジウムで新しい動きとして注目されたのは“完成保証”と“プリセール”だろう。これらは、コンテンツファンドが一般化するに連れてより重要なテーマになって来ている。
 つまり、コンテンツファンドを設立する中で一番リスクは、該当作品がヒットするか以上にその作品がきちんと完成し市場に送りだせるかである。作品が完成することをいかに保証するのか、完成しなかった場合にどうするかが重要になって来る。実際には、一部に海外の完成保証会社が日本進出を検討しているとの話も出たが、ファンドが増えつつある現在でも完成保証の仕組みは未整備である。これまでは、放映局との制作契約とこれまでの実績においての保証といったように、大半のケースが間接的な保証に留まっている。今後、完成保証に関する注目が一層高まって来ると思われる。

 またリスクの軽減という意味では、今後プリセールが作品製作に積極的に活用される可能性が高い。プリセールは作品を完成する前に、パイロットフィルムなどを提示することで事前に放映権や上映権を売却する仕組みである。これにより制作側は、制作費を完成前に手にすることが出来る。GDHの内田氏によると、これまでプリセールがあまりなかったのは、プリセールの際に作品を判断するのに必要な過去の実績記録(トラックレコード)が少なかったためである。それが、近年蓄積されるようになりプリセールに有利な状況になっているという。
 こうした様々な仕組みを組み合わせることで、コンテンツファンドや資金融資は、より低いリスクで効率的に運営されることになるだろう。そうした意味では、コンテンツのための資金調達は新たな仕組みの模索や認知度の向上といった場所から、より優れたものを作り上げるという新たな段階に入っている違いない。

/電通 
/ジャパン・デジタル・コンテンツ 
/GDH 
/経済産業省 
《animeanime》
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