米国の日本アニメ流通大手ファニメーションは、グループ会社のファニメーション・フィルムを通じ『ベクシル -2077日本鎖国-』、『ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち』の2本の劇場アニメを2008年2月に米国で劇場公開をする。 公開方法はこれまで同社が『鋼の錬金術師 シャンバラを往く者』などで行った、北米全体で100館程度の劇場を利用した短期間集中上映となる。数千スクリーン規模を利用する全米公開や、100館以下の限定された数の劇場で公開をする限定公開と異なる公開方法を取る。 こうしたアニメ映画の劇場公開から利益があがるとは必ずしも言えないが、作品の認知度の向上はつながる。 特に北米のアニメDVDの売上が苦戦するなかで、劇場アニメは比較的堅調である。ファニメーションが販売を行うDVDのプロモーションとして大きな意味がある。 また、今回『ベクシル』と『ワンピース』のほかに、日本では2007年に公開された実写映画『蒼き狼 地果て海尽きるまで』も劇場公開作品のラインナップにあがっている。ファニメーションは、これまでの日本アニメ事業でだけでなく実写映画のビジネス展開に意欲を見せている表れである。 同社は、これまでにも『忍SHINOBI』といった日本の実写映画の公開やDVDビジネスを行っている。映像ビジネスとして米国で伸び悩み気味の日本アニメだけでなく、実写映画に新たなビジネス活路を見出しているようだ。 もっとも、アニメ以上にニッチな日本の実写映画に、どれぐらいの市場の可能性があるのかは未知数ではある。 日本の実写映画には、マンガ出版・キャラクターライセンスの大手であるVIZメディアのグループ会社Viz Picturesも関心を示している。同社は既に『下妻物語』や『電車男』などで米国展開の実績を残している。 現在は、『デスノート』や『ピンポン』が主要ラインナップである。ファニメーションはアクションアニメとのつながりから、アクションやSFなどエンタテイメント路線が明確にしている。これに対してVIZピクチャーズは、サブカルチャーな作品が多い。作品としての評価の高いものを広く米国で紹介する姿勢が見える。ファニメーション・フィルム /http://www.funimationfilms.com/VIZピクチャーズ /http://www.vizpictures.com/
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