羽田空港に突然現れ、乗員乗客252人ごと旅客機を飲み込んでしまった謎の存在「カド」。その「カド」から姿を現した謎の存在・ヤハクィザシュニナは人類にコンタクトをとろうと試みる。偶然にも旅客機に乗っていた外務省の交渉官(ネゴシエーター)である真道幸路朗は、ヤハクィザシュニナと人類の仲介役を務めることになるが──。スタジオジブリ出身で『翠星のガルガンティア』でも知られる村田和也が総監督を、『know』『独創短編シリーズ』『2』など数々の小説を生み出してきた野﨑まどが脚本を担当。『コードギアス 亡国のアキト』で演出を務めた渡辺正樹がシリーズディレクターを担う、東映アニメーション渾身のアニメーションだ。冒頭ナレーションを担当するのは、『天元突破グレンラガン』アンチ=スパイラル役、『かぐや姫の物語』石作皇子役など、俳優として活躍するだけでなく、アニメでも個性的な役の声に挑戦してきた俳優・上川隆也。上川から見た『正解するカド』とは一体どんなアニメーションなのだろうか。[取材・構成:川俣綾加]『正解するカド』http://seikaisuru-kado.com/2017年4月7日より放送──謎の存在「カド」など未知な部分も多くどういったストーリーが展開されるのか、気になっている人も多いかと思います。まずシナリオを読んだご感想はいかがでしたか?上川隆也(以下、上川)とても骨太な物語ですね。SFでもあり、ミステリーでもあり、謎をちりばめて見ている人を引きつけて離さない構成になっていると思います。フィクションだからといってその世界における社会性を失っていない。そうした骨太さが根底にしっかりとあって、その上に紡がれた物語、というのが僕の感想です。──社会性の上に物語を構築している、というのはどういった部分に感じましたか?上川何か大きな出来事が起きた時、グローバルに視点を据えて展開されているんですよ。日本以外の世界は壊滅していて日本人だけで何とかしていくとか、ふと気づくとそういう展開になっていることを自然に受け入れている時ってありますよね。もちろんそこに色々な理屈はあると思うんですけど。簡単にいえば、そういうことじゃない、きちんとワールドワイドな世界があって、お話が進んでいく。謎の存在である「カド」がなぜ日本にやってきたのか、という理由もしっかり描かれていてそのあたりもグッときました。──「そこにきちんと世界がある、人々が生きている」と感じられるような構成になっているんですね。上川『翠星のガルガンティア』の時もそうでしたが、村田(和也)監督って意志を持ち生きる者同士の関係や思いを描くのがとても巧みで。『ガルガンティア』は異星間のボーイミーツガールでした。今作では異種間コンタクトがどう描かれているかも楽しめると思います。プレスコで収録したのでまだ完成映像は拝見していませんが、僕自身も本編がどうなっているのか、とても楽しみにしています。──上川さんは各話冒頭のナレーションを担当されていますが、どのように取り組んでいきましたか?上川収録直前に音響監督から説明もいただきまして、1曲だけ劇伴も流していただき、なんとも壮大なフルシンフォニックで聴き入ってしまいました。まずはそれがひとつの手がかり。もうひとつは、『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』でのナレーションのテイストを盛り込みたい、と説明いただいて。そのこともあってか、僕の頭の中には城達也さん(※劇場版『銀河鉄道999』のナレーションを担当)の声しか流れていませんでした。そのうえで、この作品にマッチしたナレーションになるよう考えつつマイクに向かいました。──シナリオを読んで、気になったキャラクターは?上川実はそれが言えなくて……。ネタバレになっちゃうんです。心苦しい(笑)。(次ページ:上川さんが子どもの頃に見た作品は…)
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