アニメライターの仕事術-第6回 「やる気が落ちる」原因を洗いだそう | アニメ!アニメ!

アニメライターの仕事術-第6回 「やる気が落ちる」原因を洗いだそう

渡辺由美子さんの連載「アニメライターの仕事術」第6回目。作業記録表をつけていくうちに気づいたこと、やる気はどうやって出すのか…。第2・第4火曜日に更新中。

連載
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■記録でわかった自分のつまづきポイント
まず最初におわびです。
第4回で「時間割を作ろう」的な前フリをしたのですが、今週回にはそこまで行きませんでした。時間割はもう少し先の話だったのです。スミマセン……!

作業記録表をつけていて判明した、現在の問題を洗い出すことが先決でした。
万人に向けたやり方じゃなくて、自分のつまづきと性分を把握して、それに合ったやり方を模索する。それがこの「アニメライターの仕事術」の肝でした。


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さて、毎日色ペンで「作業記録表」をつけていくうちに、いろんなことに気がつきました。

休憩だか何だかわからないムダな時間が多すぎる……。
原稿に集中できない時にネット見てる……。
ネットを見たあとに、原稿の続きをさあやろうとした時には脳が疲れちゃってる……!

自分の問題は、大きく2つでした。

●取りかかる敷居が高い問題
頭を使うタスク(原稿)がすごく難しくて敷居が高いと思って、くじけてやめてしまう。

●やる気が落ちる問題
記録をしていて一番顕著にわかったのが、「午後になるとバテる、やる気が落ちる」という問題です。特に直近の〆切がないと、取りかかる気力がわきませんでした。


■「やる気」はどんな要素に分けられる?
「取りかかる敷居が高い問題」はあまりにも大きな山だったので、連載のもう少し後に詳しく書きたいと思います。

今回は、「やる気が落ちる問題」についてです。

私は、作業記録表に自分の体調を記録したり、今までできなかったことがクリアできたときには「このつまづきにはこの方法を取ったらうまくいった」メモを作っていました。

「このつまづきにはこの方法を試す」メモは、大きな紙にマスキングテープでぺたぺた貼っていたのですが、途中からあることに気がつきました。

「やる気」とひとことに言っても、中身も対処法も違うのです。
私にとっての「やる気」とは、〈思考力〉と〈気力〉に分けられました。

原稿ができない事態には幾つか種類がありました。
ひとつは物理的な体調不良。
もうひとつは、脳が疲れて〈思考力〉が低下したとき。特に原稿や企画書、取材質問作成などは、思考力が低下すると、ひらめきが生まれないので進まないのです。

もうひとつは〈気力〉が落ちる。原因は2つありました。
・タスクへの敷居が高すぎて気が重い。
・飽きてダレてしまう

体調不良もね……ストレスと連動して風邪をひいてしまったりするから、もしかしたら気力と関係した問題でもあるかもしれません。

ここまでの問題点まとめ:敷居が高い、思考力が落ちる、飽きてしまう

■やる気を出す方法は、メリハリとリズム!

困ったのは、脳は何かしらの作業をするとどんどん疲れてきてしまうことでした。仕事術の本に、午前中は、一番頭を使うことをやろう! と書いてあるのはそのためです。

かなりノッている状態で原稿を書いていても、ある臨界点を超えると急に疲れて、その日の残りの時間は何もできなくなったりしました。

あと私の場合、同じ原稿を休憩をはさんで続きを書こうとすると飽きてくることがあります。〆切が迫っていないときはなおさらエンジンがかかりません。

脳をずっと使っていると疲れてくるし、飽きも来る。
私は熱中するとすごく進むけど、モチベーションが低下すると一切できなくなる「テンション型」という性分。
いかにテンションが落ちないように続けていくか、そのときに必要なものは何だろうかと考えました。

脳にはリセットとスイッチが必要だと思い至りました。

タスクをスタートする。疲れたら脳を休める。リフレッシュする。再スタートする。

脳のリセット&スイッチをどう作ろうか。作業記録表を見て気がついたのは、食事や風呂の時間は必ず発生するんだなということでした。
それなら脳のリフレッシュと再スタートを、生活の必須事項で区切れないかと考え始めました。やる気を出す方法を生活のメリハリとリズムを作ることに求めたのです。

次回は「脳と身体のリセット&スイッチ作り」、その後にでも「時間割をつくってみた」お話ができればと思います。

■ 渡辺由美子(わたなべ・ゆみこ)
アニメを専門にするカルチャーライター。インタビュー記事、評論、エッセイなどの原稿を書いたり、誌面を構成したり。web媒体『ASCII.jp』で「誰がためにアニメは生まれる」を、隔月刊『Febri』で「妄想!ふ女子ワールド」等を連載中。単行本『ワタシの夫は理系クン』(NTT出版)など。渡辺由美子ブログはこちら。
イラスト・宮原美香
《渡辺由美子》
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