ルーマニアにもあった日本アニメイベント NIJIKON2014レポート | アニメ!アニメ!

ルーマニアにもあった日本アニメイベント NIJIKON2014レポート

ルーマニアの日本アニメイベント NIJIKON2014を文筆家の川端裕人さんがレポート。人気作品は「進撃の巨人」「SAO2」「キルラキル」という、その知らざる世界を紹介。

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[川端裕人]

ルーマニア・ブカレストのアニメファンイベントNIJIKON2014(以下、ニジコン)に参加した。
経緯を簡単に述べる。
筆者は、主に小説を書いている文筆家で、目下、声優の世界を描く「声のお仕事」シリーズ(文藝春秋の「オール讀物」にて連作として掲載中)に取り組んでいる。拙作のサッカー小説『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)が「銀河へキックオフ!!」としてアニメ化された際に、キャストとの交流があり、その専門性の高さに大いに感じ入って、シリーズを構想した。
作中で、主人公は「声で世界を変えてやる」とタンカを切る。では、実際に「世界」でアニメはどう受け止められているのだろうか。北米や西欧の情報はウェブからも、あるいは知人を介しても入手出来る。中国のアニメファンにも知り合いがいる。では「その他の地域」では? たまたま「銀河へキックオフ!! 」を見たというブカレスト在住のファンとTwitterで知り合ったのをきっかけに、このたび現地のニジコンに参加できたのだった。

ニジコンは、2007年から毎年、ルーマニアの首都ブカレストで開かれるアニメイベントだ。ブカレストでの類似イベントとしては、コミコン(COMIKON)が年2回、オタク・フェスティバル(Otaku Festival) が年1回開催されており、その中でコミコンは北米系のコンテンツが強く、ニジコンとオタク・フェスティバルがアニメ寄りとのこと。この場合、アニメとは「日本のアニメーション」を指す。
開催された10月18日、19日の週末のうち、筆者が参加したのは2日目。ブカレスト市内から地下鉄で30分ほど離れたTurbohalle(トゥルボハレ)という会場で、イベントを観覧し、スタッフや参加者の話を聞くことができた。

会場に入ると、まず「アーティスト・スペース」呼ばれる部屋があり、なにがしかの芸術性が評価されている参加者がブースを出していた。物品を販売しているのは同じだが、さらに先の部屋には、商業的とされる販売ブースが連なっていた。後者では、日本から入手したグッズの販売も見られた。
ほかにも、電子的なゲーム(従来のビデオゲームに加えて、Oculusの体験コーナーが人気を博していた)、カードゲーム、アメコミなどの小規模なコーナーがあったものの、スペースとしては8割から9割方がアニメで占められていた。
また、「J-Musicの部屋」なるものがあって、日本語の曲をかけ続けていたのも印象的だった。聞けば、ブカレスト大学の日本語学科の学生さんが中心になっているそうだ。「こっちの音楽はクラブでかかるようなビート重視のものだけど、日本の音楽には歌詞があり、メッセージがある」というのが評価のポイントだとか。なお、その話を聞いた時にかかっていたのは「恋チュン」である。たしかに……メッセージはある、かもしれない。さらに、彼女ら(女性が多い)がJ-POPとJ-ROCKを峻別しており、J-ROCKとしては、BUCK-TICKやGLAYやBump of Chickenを愛好していたことも付け加える。

ことアニメについて言えば、売られているもの、コスプレで目にするもの、などから察して、目下、ルーマニアで人気があるタイトルを列挙すると以下の通り。
「進撃の巨人」「SAO2」「ナルト」「One-piece」「ポケットモンスター」「黒子のバスケ」「キルラキル」「HUNTER×HUNTER」「クレイモア」「Nana」「とらドラ」「鋼の錬金術師」「HELLSING」「ドラゴンボール」「デスノート」「犬夜叉」「となりのトトロ」、さらにボカロの初音ミク・巡音ルカなど。
どのタイトルが圧倒的な人気ということもなく、比較的近年の作品でコミュニティの琴線に触れたものが扱われているという様子である。昨年は「進撃の巨人」がブームだったが、今期はそれに匹敵するものがないとも聞いた。「進撃」の残響はコスプレイヤーや関連グッズの多さでも確認出来た。また、「キルラキル」も同様に受けがよかったらしい。
また、会場で来場者10人余に聴き取った範囲で、オールタイムベストとして名が上がったアニメは「フル・メタル・アルケミスト(鋼の錬金術師)」「犬夜叉」が群を抜いていた。それぞれ、質問に答えてくれた人の9割、8割程度の支持を得ていたから、コミュニティの共通体験になっているのだろう。

後編に続く
《川端裕人》
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