1970年代後半から1980年代にかけた時期は、いくつもの傑作アニメがスペシャル番組として現れた時代だ。1時間から2時間程度、劇場映画並みのオリジナルアニメが次々にテレビに飛び出した。そうしたトレンドを牽引したのが、日本テレビ系のチャリティースペシャル「24時間テレビ 愛は地球を救う」のために制作された作品群。なかでも、手塚治虫さんが自ら指揮を執った各作品がよく知られている。1978年に放送された『100万年地球の旅 バンダーブック』をスタートに6作品がある。一方で、これらの当時の制作状況や、資料は意外なほど少ない、そうしたなか小学館クリエイティブが、これらの資料をまとめた書籍を刊行する。2014年2月24日に発売される『手塚治虫アニメキャラクター設定画集』だ。手塚治虫さん自身がキャラクター設定を務めた6作品の設定資料集となる。これまであまり表に出ることのなかった貴重な資料が収録されている。作品は、『100万年地球の旅 バンダーブック』のほか、1979年の『海底特急 マリン・エキスプレス』、『ブレーメン4 地獄の中の天使たち』(1981年)、『タイムススリップ10000年 プライム・ローズ』(1983年)、『大自然の魔獣 バギ』(1984年)、『銀河探査2100年 ボーダー・プラネット』(1986年)である。資料は手塚さん自身の筆によるものだけを収録。キャラクターの細かな表情の動きを描いたものや、動物の動きを細かく指定したものなど、手塚さんがアニメにかけた情熱が伝わる仕上がりとなった。とりわけ第1作の『100万年地球の旅 バンダーブック』は、虫プロ倒産により「もうアニメはやらない」と宣言した手塚さんが、再びアニメに復帰した記念すべき作品。視聴率も28%を記録し、各局がテレビスペシャルアニメを製作するきっかけにもなった。手塚さんの晩年の仕事や、アニメーションの歴史を振り返る意味でも重要な一冊である。B5判上製本224ページ、価格は3000円(税抜)となっている。 [高橋克則]『手塚治虫アニメキャラクター設定画集』著: 手塚治虫監修: 森晴路(手塚プロダクション資料室長)発売日: 2014年2月24日発行: 小学館クリエイティブ 発売:小学館体裁: B5判上製本224P 定価: 本体3,000円+税
手塚治虫「ブラック・ジャック」連載50周年記念で舞台公演決定! 声優・大塚明夫も“未来のB.J”役で出演 2024.1.13 Sat 12:30 マンガ家・手塚治虫の代表作のひとつ『ブラック・ジャック』の…