ところが今年は、演劇的なチャレンジを試みる舞台が出現。それは“物語が1つではない”というもの。オトメイトの舞台化『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~』はエンディングが2つ。そしてLIVING ADV『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』に至っては6つのストーリーパターンがあり、さらに千秋楽は観客の投票でルートを決めるという画期的な内容だった。 また、モバイルゲームが元になっている『私のホストちゃん』、ラストは観客の投票でその回のNO.1ホストを決めるという“虚構”と“リアル”が渾然としたものだった。もともとゲームなので、よりゲームに近くしようというチャレンジ。2次元を、ゲームのテイストをそのままライブに、2.5次元に、という発想である。俳優やスタッフにとってはかなりハードルの高いチャレンジではあったが、予想以上に好評、この流れは今後も続いていくと思われる。
年明けにはオトメイトの舞台化『AMNESIA』が始まるが、こちらもマルチエンディング・ストーリー分岐。他の乙女ゲームと比較すると共通ルートがなく、舞台化するにあたってはこの方法をとらないと逆に難しかったそう。また、メインキャラクターは身長もゲームの設定に近い、とのこと。さらに声優の高橋秀則が同役で出演、とゲームに寄り添った形にしている。 『PERSONA3 the Weird Masquerade~青の覚醒~』は主人公が女性と男性のダブルキャスト。3月には『BLAZBLUE』の舞台化もある。こういった作品が続々と登場すると「もっとゲームの面白さを伝えられる方法はないだろうか」という想いも出てくるだろう。新たな作品の登場、期待したい。