「FLCL」 藤津亮太の恋するアニメ 第8回 初恋が初恋だとわかる時(後編)  | アニメ!アニメ!

「FLCL」 藤津亮太の恋するアニメ 第8回 初恋が初恋だとわかる時(後編) 

藤津亮太さんによるアニメと恋愛談義?今回は初恋をテーマに「銀河鉄道999」からさらに「FLCL」に至る。アニメで描かれた”初恋”とは?

連載 藤津亮太の恋するアニメ
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藤津亮太の恋するアニメ 第8回
初恋が初恋だとわかる時(後編)


『FLCL』

作・藤津亮太

恋が叶わなかったときや失った時に、初恋だったんだな、とわかるのが初恋。
Nが、言い出した初恋の定義だ。

「素朴な質問だけど……それって、Nの実感なの?」
「ん? そんなことないよ。物語の中の初恋についてのことだもの」
「そうか、座学の話ね」
と僕が半笑いで言うと、Nはジロっとにらみ返してきた。

「Sの素朴な質問ってのは、たいがいロクでもないものね」
「ははは。それはどうも」
曖昧な笑いでNの厳しい視線をやりすごした僕は、重ねてNに尋ねた。

「でもじゃあ、物語の中だとして、代表的なものって何があるかな」
「そうね? ……『フリクリ』なんてどう?」
「あー、『フリクリ』ね」

『フリクリ』は2000年から全6巻でリリースされたOVAだ。地方都市・疎瀬市に住む小学6年生ナンバダ・ナオ太のもとに、ベスパに乗った謎の女ハルハラ・ハル子が現れる。ナオ太の家に家政婦として入り込んだハル子は、なにかとナオ太にちょっかいを出してくるが、その狙いは実は……という話だ。

「『フリクリ』って、ナオ太くんが、年上のファムファタールをスキになって、振り回される話じゃない。しかも、その彼女、ハル子は基本ナオ太を利用するために近づいているんであって、恋愛の対象としてはみてない。だから、あっさりナオ太は振られてしまうわけで。
たぶんナオ太くん、あの時、始めて告白ってものをしたんだと思う」
「だろうね」
僕は頷いた。

《animeanime》
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